- 著者
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村岡 潔
- 出版者
- 佛教大学社会福祉学部
- 雑誌
- 社会福祉学部論集 = Journal of the Faculty of Social Welfare (ISSN:13493922)
- 巻号頁・発行日
- no.11, pp.101-108, 2015-03
本稿は,前回,前々回の隠謀学入門を受けて,人間のミクロ社会における不殺生の問題と,それをマクロの社会に展開した形で起こる戦争の問題を取り上げた。第1 節では,不殺生と輪廻説の関係ついて述べ,不殺生が行われることの隠謀学的機転と考えた。第2 節では,ベジタリアンと不殺生との関係を取り上げ,両者は決してパラレルではないことを論じた。第3 節と第4 節では,正義の戦争あるいは人道的介入戦争は存在するのかという命題に対して,アヒンサーの思想と対比させながら,小田実が指摘するように,そうした戦争は存在しえないことと,戦争自体が敵なのだという結論を提示した。隠謀学戦争正義不殺生戒アヒンサー