著者
岸田 直裕 松本 悠 山田 俊郎 浅見 真理 秋葉 道宏
出版者
国立保健医療科学院
雑誌
保健医療科学 (ISSN:13476459)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.70-80, 2015-04

目的:我が国における飲料水を介した健康危機の発生実態を明らかとすることを目的とした.方法: 1983年 1 月から2012年12月までの30年間を対象期間とし,期間中に発生した飲料水を介した健康危機事例を収集し,健康危機の発生傾向について分析を行った.結果:過去30年間に飲料水を介した健康危機事例は約590件発生しており,化学物質が原因の事例が最も多かったが,明らかな健康被害が発生した事例では,原因物質の大半は微生物であった.地下水を水源とする専用水道や飲用井戸等の小規模の施設において健康被害を伴う水質事故が高頻度で発生しており,主要な発生要因は消毒の不備であった.また,飲料水を介した病原微生物が原因の健康リスクは米国やEUと比べ低く維持できていると示唆された.結論:我が国の飲料水を介した健康リスクを減少させるためには,飲用井戸,専用水道等の小規模施設の適切な衛生管理を実施していくことが重要である.

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我が国における過去30年間の飲料水を介した健康危機事例の解析 (1983 〜 2012年) https://t.co/v82u7AtBdn

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