著者
和田 英一 藤本 圭一郎 沖田 耕一
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.301-307, 2015

有人宇宙輸送システムは,そもそもハザードを発生させないことが最も重要である.しかしながら,100%の安全が保証されるシステムは存在しない.したがって,ハザードはある確率で発生するものとして,ハザード発生時に宇宙船を守る技術が必要となる.この安全上重要な技術のひとつがアボートシステムであり,ハザードが発生し,クルーの生存が脅かされる事態となった際に,運用を中断し,クルーを無事に離脱・帰還させるためのシステムである.本稿では,アボートシステムのうち,特にクリティカルなハザードである有人ロケットの爆発に対して飛行士の安全を確保する技術について論じる.

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