著者
小池 順子
出版者
千葉経済大学
雑誌
千葉経済論叢 The proceedings of Chiba Keizai University (ISSN:21876320)
巻号頁・発行日
no.54, pp.1-19, 2016-07

本論文は、音楽における表現とはいかなる営為かという問いの解明を目指している。この課題を遂行するにあたり、美学と音楽美学の知見を手がかりに、表現の概念が様々に揺れ動いてきたことを論証した。造形芸術においては、表現概念の中で描写と表出の対立が長くあった。対照的に、音楽芸術は造形よりも早く、表出芸術として認識された。19世紀には作曲家が表現の主体として存在価値を高めた。しかし作曲家の表現としての音楽は、演奏行為を通じて初めて直観的になる。演奏行為が演奏者という別の主体に委ねられるとき、次の問いが導かれる。第一の問いは、演奏者の行為は作曲家の表現を単に再現する行為なのかという問い、第二の問いは、演奏者の演奏行為は表現になりうるか、なりうるとしたら表現者としての演奏者はいかなることを遂行しているのかという問いである。

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最近読んだ面白い論文 音楽における表現という問題 : 美学と音楽美学の表現概念の変遷を手がかりに https://t.co/sc1sB9AMTF アイドルが生息する「現実空間」と「仮想空間」の二重構造 : 「キャラクター」と「偶像」の合致と乖離 https://t.co/DK7gLE7YWi
https://t.co/mdzBOec6F2 そもそもこういう話でもある
@DDC_violoncelli 美学的見地から音楽表現を論考したものでは、下記のような論文も以前に読み勉強になったのですが、自分の知識の浅さもあり深く理解はできていませんでした。色々な示唆を与えてくださり感謝します。 https://t.co/S4M4hRzt2j

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