著者
榎本 玲子 山上 精次
出版者
専修大学人間科学学会
雑誌
専修人間科学論集. 心理学篇 (ISSN:21858276)
巻号頁・発行日
no.1, pp.61-69, 2011-03

外界の物体と身体との直接的な相互作用が行われる身体周辺の空間を身体近傍空間という。複数のモダリティの刺激に反応する多感覚ニューロンの働きにより規定されているこの空間では,複数モダリティからの感覚情報が統合されるため,他の領域とは異なる空間知覚特性がある。そして、この空間の表象は,ダイナミックかつ機能的な可塑性を持ち,身体部位や道具の機能,使用経験などにより変化することを多くの研究が実験的に示している。その一方で,ここ数年では,そのような多感覚ニューロンの働きが身体近傍空間における単一モダリティの刺激処理にも影響を与える可能性を示唆した証拠が増えつつある。本レビューでは,これらの研究を概観し,身体近傍空間における空間知覚の特性とその可塑性について論議する。

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榎本玲子・山上精次「空間認知の身体化過程とその機序をめぐって」『専修人間科学論集. 心理学篇』 1、2011年3月。https://t.co/kXFn7jgATD

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