著者
伊藤 史朗
出版者
専修大学人間科学学会
雑誌
専修人間科学論集. 社会学篇 (ISSN:21863156)
巻号頁・発行日
no.1, pp.13-23, 2011-03

本論文は、移住当事者のホスト社会への社会的距離を研究するための分析枠組を明らかにするとともに、分析ツールとして盛んに用いられている社会的距離尺度の有用性について検討する。まず、筆者が逆社会的距離尺度 (Reverse Social Distance Scale) の必要性を感じる出発点となった調査、すなわち、フィリピン・マニラで行った「マニラ在住の日本人によって知覚されるフィリピン人への社会的距離に関する調査」 (Ito & Varona, 2009) を、「移住当事者によって知覚されるホスト社会への態度」に関する研究の出発点として取り上げる。社会的距離尺度を用いマニラ在住の日本人に対し、横断的調査を行ったものである。社会経済的データ、滞在期間、年齢、日本の伝統への固執、パーソナルネットワークの範囲が社会的距離の度合いとの相関を示した。次に、社会的距離を分析する枠組みについて検討し、最後に、社会的距離尺度の限界を示すとともに、その限界を補完する逆社会的距離尺度が移住当事者のマイノリティの視点の分析に有効であることを述べる。

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CiNii 論文 -  社会的距離と逆社会的距離の分析枠組みに関する研究 : 民族関係論における当事者意識に関する量的研究に向けて https://t.co/V9Y7VcxP2G #CiNii

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