- 著者
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上村 昌代
- 出版者
- 京都女子大学
- 雑誌
- 現代社会研究科論集 (ISSN:18820921)
- 巻号頁・発行日
- no.2, pp.83-94, 2008-03
現行法の親権規定では、離婚の際に夫婦のいずれかが未成年の子の親権者となる。近年の離婚の増加にともない、ひとり親世帯が増えている。また、現在は妻の方が未成年の子の親権者となる割合が増加し、全体の約8割を占める。しかも、母子世帯の置かれている社会的・経済的状況は厳しく、子どもたちのこうむる被害も増大しつつある。そこで、この研究ノートでは、子どもの福祉を重んじる立場から、この被害の現状とこれを克服するための方策を論じる前段階として、民法の親権規定の変遷の歴史を簡潔に整理したいと考える。日本近代の親族法は西洋の法制度の影響下に成立してきたので、第1章では、西洋における親権概念の歴史を概観し、第2章においては、日本の親権規定の変遷とその背景について考察する。最終章では、日本における親権規定の現状と改革に向けての動向を紹介して、今後の研究へつなげていくことにしたい。