著者
村田 由美
出版者
崇城大学
雑誌
崇城大学紀要 (ISSN:21857903)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.136-125, 2015

漱石の熊本での四年三ヶ月を考えるとき、第五高等学校での英語教師としての生活を抜きにしては考えられない。漱石はここで初めて教師として教壇に立つだけではなく、学校行事に参加し、英語科主任として、また後には教頭心得として学校行政にも関わった。漱石の学校行政家としての手腕を評価する研究者もいるが、本稿では特に、その人事面に着目して考察した。詳細に見ていくと漱石が行った人事は、決して漱石一人で行ったものではないことが分かる。また、漱石が、いかに生徒を教育できる教師を招聘するかという事に心をくだいたかが見えてくる。それは学生時代に書いた「中学改良策」にもつながるものであった。

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