著者
白石 克己
出版者
佛教大学総合研究所
雑誌
佛教大学総合研究所共同研究成果報告論文集 (ISSN:21896607)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-12, 2016-03-25

書簡の交流を基礎とする鈴屋の遠隔教育では文字コミュニケーションが重要な意味をもっていた。もちろん宣長の遊学時代も鈴屋での門人指導も,対面教育での口頭コミュニケーションが欠かせなかった。しかし,宣長はおびただしい書写や熱心な公刊活動などによって文字コミュニケーション主体の遠隔教育や対面教育を実施していた。言語は経験から遊離した抽象との批判から会読のような対面教育が推奨されるけれども,言語と経験との往復運動を図る指導であれば,文字コミュニケーションは遠隔教育にも対面教育にも欠かせない。宣長は書簡の交流によって門人一人ひとりへの添削指導を実施したが,これは相手の「情報構造」に従った指導といえる。会読講釈問答体遠隔座文字コミュニケーション

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筆談を含む「文字による意思疎通・情報交換」にあらたな視点を導入した良論文。聴覚障害者の筆談の音素文字文化圏と表意文字文化圏における違いといった類型論的考察も会っていいと思う。QT 鈴屋にみる文字コミュニケーション https://t.co/2L6faGbjnO #CiNii
CiNii 論文 -  鈴屋にみる文字コミュニケーション https://t.co/2xj8J7hjYx #CiNii

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