著者
越中 康治 目久田 純一
出版者
宮城教育大学
雑誌
宮城教育大学紀要 (ISSN:13461621)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.167-176, 2016

本研究の目的は、現場の教師や将来教員を目指している学生たちが道徳の教科化を好ましいと感じているか否かについて、理由づけを検討することであった。前報では、教育学部生、保育者、小学校教員、中学校教員及び高等学校教員を対象として質問紙調査を実施し、①道徳の教科化、②道徳に検定教科書を導入すること、③道徳で評価を行うことのそれぞれについて、好ましいと思うか否かを尋ねた。本報では、前報で取り扱うことのできなかったこれらの理由づけの自由記述をテキストマイニングにより分析した。その結果、まず、道徳の教科化に関してネガティブな認識が示される要因のひとつが評価の導入であることが確認された。また、検定教科書や評価の導入を肯定する理由づけにおいて特徴的であったのは「教科になれば必要だから」という消極的な理由であった。特に評価に関しては、導入すること自体に積極的な意義を見出した回答はほとんど見られなかった。教科化のための検定教科書導入、教科化のための評価といった認識が、道徳の教科化に対する抵抗感をさらに強めるひとつの要因となっている可能性が示唆された。

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#研究事例リストに追加しました:越中康治・目久田純一 2016 「道徳の教科化に対する教師・保育者及び学生の認識(2)テキストマイニングを用いた分析」 『宮城教育大学紀要』 51: 167-176 https://t.co/lvrwmqvzp8

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