- 著者
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工藤 恵理子
- 出版者
- 東京女子大学
- 雑誌
- 東京女子大学紀要論集 (ISSN:04934350)
- 巻号頁・発行日
- vol.67, no.1, pp.255-266, 2016-09
人々は課題の完了時の予測をするとき過度に楽観的であり、この傾向を計画錯誤と呼ぶ。これまでの研究はこの傾向をなくすことが困難であることを示してきた。本研究では、計画錯誤についての知識を与えることで予測が修正されるかどうか、予測時の焦点化の効果、修正における自分と他者に対する予測の違いを検討した。76名の女子大学生が実験に参加した。参加者は計画錯誤についての講義を受ける直前と直後に課題の完了時についての予測を行った。このとき、同じクラスの中からランダムに選ばれた1名の他者が同じ課題の完了時についてどのように予測するかも推測して回答した。講義の前後での予測の変化を分析したところ、講義の後で参加者は自信の予測を修正していたが、他者の修正はもっと大きな巾で行われると予測していた。人々は自身が計画錯誤に陥ることは理解してるが、他者ほどではないと捉えていると考えられる。