著者
鶴見 直人 岸野 浩一 小田桐 確 Masato Tsurumi Kouichi Kishino Tashika Odagiri
出版者
関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部
雑誌
研究論集 = Journal of Inquiry and Research (ISSN:03881067)
巻号頁・発行日
no.111, pp.179-192, 2020-03

国際関係への学生の興味関心を高めるとともに、時事問題に関する知識の定着を図る目的で作成したクイズを授業で活用し、その実践から得られたデータを分析した。その結果、学生たちはニュースに関心を持っていると表明しながらも、極めて基礎的な知識の確認さえ行わない傾向が浮かび上がってきた。これは「専門知の死」(トム・ニコルズ)として指摘される傾向と似たものと見られる。本稿によって明らかにされるのは、こうした指摘とはまた違った一面である。ここから、マスメディアの危機と「民主主義の死」が同時に指摘される現代において国際関係についての教育を行う際、メディア・リテラシーの重要性を説くだけでは不十分であり、「肯定的な懐疑心」を涵養してゆく必要性が示唆される。

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"時事クイズ部分については全て正解しているにも関わらず、北朝鮮についての通俗的な誤解を未だに持ち続けている回答者が多く存在することが判明したのである。" →クイズ(北朝鮮と国交を結ぶ国の数)

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