- 著者
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大坪 舞
- 出版者
- 九州大学基幹教育院
- 雑誌
- 鷹・鷹場・環境研究 (ISSN:24328502)
- 巻号頁・発行日
- no.5, pp.17-30, 2021-03-20
本稿は、戦国期における鷹狩の様相について、足利将軍家・細川京兆家・公家を中心とした鷹狩の事例と、鷹狩の獲物である「鷹の鳥」進上例をもとに検討した。15世紀末~16世紀初頭の細川政元の鷹狩・鹿狩は軍事的色彩が濃かったのに対して、16世紀前半の11代将軍義澄・12代将軍義晴・13代義輝は、近臣と親交を深める鷹狩を行い、将軍の側近であった公家も漑狩をするようになった。また、漑の鳥が禁裏へ進上されることが定着し、平安時代以来衰退した天皇を中心とした鷹狩の構造が再構築されたことを明らかにした。