著者
田野村 忠温 Tanomura Tadaharu タノムラ タダハル
出版者
大阪大学大学院文学研究科日本語学講座
雑誌
阪大日本語研究 (ISSN:09162135)
巻号頁・発行日
no.33, pp.33-60, 2021-02

コーヒーの名称の漢字表記「珈琲」は日本で作られたと多くの言語研究者が言う。そして、その考案者を蘭学者の宇田川榕庵として特定する説まであり、通俗書やインターネットを通じて広く流布している。しかし、そうした通説、俗説はすべて正当な根拠を欠く想像に過ぎない。言語の歴史を想像に頼って論じることはできない。ここでは、資料の調査と分析に基づいて、「珈琲」という表記の現在確かめ得る最初期相を明らかにするとともに、それがその後日中両国でたどった歴史を跡付ける。

言及状況

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なかなか読ませる紀要論文。日本手話にみる音訳語の歴史はどこまで遡れるのかというあたりは、けっこう意見が分かれそう。でも江戸時代中期の『山椒大夫五人嬢』にみる〈目出度い〉は日本手話(ないし手指日本語)にみる音訳語とも言えるし。 vid. 音訳語「珈琲」の歴史 https://t.co/BMfuq71zoP

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