著者
加藤 謙介 渥美 公秀 矢守 克也
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.155-173, 2004
被引用文献数
5 3

本研究では,高齢者に対するロボット介在活動(Robot Assisted Activity: RAA)の事例を取り上げ,RAAを,ロボットをめぐる物語の共同的承認の過程であるとして検討した。筆者らは,有料老人ホームに入所する高齢者を対象とした,ペット型ロボットを用いたRAAを実施し,参与観察するとともに,RAA実施中における参加者群の相互作用を,定量的・定性的に分析した。定性的分析の結果,RAA時には,対象となった高齢者のみではなく,施設職員やRAAの進行係等,RAAの参加者全員が,ペット型ロボットの挙動に対して独自の解釈を行い,それを共同的に承認しあう様子が見出された。また,定量的分析の結果,RAA実施中における参加者群の「集合的行動」のうち,最も頻度が多かったのが,「ロボットの動きを参加者群が注視しながら,発話を行う」というパターンであることが明らかになった。筆者らは,RAAを,参加者によるロボットの挙動に対する心の読み取り,及びその解釈の共同的承認を通して物語が生成され,既存の集合性とは異なる集合性,<異質性>が生成される過程であると考察した。<br>

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加藤謙介他「ロボット介在活動における物語生成―有料老人ホームにおけるペット型ロボットを用いた活動の事例―」 https://t.co/GRZiiTPu6u ペットロボット(AIBO)というよりは、それをネタにした相互行為による現実構築のお話かな。おもしれー。

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