著者
渥美 公秀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.33, pp.37-42, 1994-04-28

集団で意思決定を行う場合には必ずしも「三人寄れば文殊の知恵」にはならない。Janis (72,19)がアメリカの政策決定過程に着目しこの現象を集団的浅慮(oupthi)と名付けて以来、社会心理学の分野では様々な研究が行なわれてきた。本稿では集団的浅慮現象とその後の研究を紹介するとともに、従来の研究に含まれていた「情報処理パラダイムの陥穽」を指摘する。最後に、今後の集団研究の方向性として「意味構築パラダイム」への移行を展望する。While "two heads may be better than one," just as often "too many cooks spoil the stew." Groups do not always decide more wisely than do individuals. This point has been made most cogently by Janis (1972, 1982) in his analysis of defective decision making by group at high levels of government in America. He called this type of decision process Groupthink. The present paper describes Groupthink and reviews the relevant social psychological literature. It notes that most studies examine the phenomenon within an "information-processing" paradigm and points out the pitfalls of this approach. Finally, it suggests that a "meaning-making" approach may be a more useful way to explain Groupthink.
著者
大門 大朗 渥美 公秀
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.88-100, 2016 (Released:2016-09-07)
参考文献数
58
被引用文献数
1

本研究では,大災害発生後の利他行動において,特に阪神・淡路大震災及び東日本大震災でのボランティア活動に着目し,どのようなダイナミックスで利他行動が生起したのかを把握し,実践的なツールとして活用できるようにするために基礎的なシミュレーション研究を行った。シミュレーションは,セル・オートマトンを採用し,周辺の状況に合わせてボランティア活動を行うとする近傍要因と,被災地からの報道といった遠隔要因から,ボランティア活動がどのように生起するかを想定した。2つの震災を比較すると,阪神・淡路大震災では遠隔要因が強く作用し,ボランティアのピークが速く発生したが継続しなかったこと,逆に東日本大震災では,近傍要因が作用しピークが遅かったが継続したボランティアにはつながったこと,ただし,地方で起きたことから全体のボランティア数自体は減少したことが明らかになった。その上で,これまでの震災後の取り組みに提言を行うとともに,中心からしかボランティアが広がらない(中心局在化)モデルの限界に留意した上で,今後の災害時には近傍-遠隔要因のバランスに注目することの重要性を指摘した。
著者
堀江 尚子 渥美 公秀 水内 俊雄
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.1-17, 2015

本研究は,ホームレスに対する支援のための入所施設において,継続的な支援の関係の構築を目指したアクションリサーチであり,支援の関係性の継続と崩壊という現象を理論的に考究するものである。近年,急増したホームレスの人々が抱える問題は多様である。なかでも対人関係に問題を抱える人は少なくない。ホームレスの支援活動では,当事者と支援者の関係性の継続が重要である。関係性の継続には,関係の本来の様態である非対称が非対等に陥らないことが要請され,そのためには偶有性を喚起・維持する方略に希望がある。本研究はこの方略を組み込んだアクションリサーチである。具体的には,ホームレスを多く引き受ける生活保護施設Yが開催するコミュニティ・カフェに注目し,その施設の退所者と地域の人々の協働の農作業プロジェクトを実践した。偶有性の概念を媒介にして戦略的な実践によって継続的な関係が構築された。支援関係の継続と崩壊について理論的考究を行い,労働倫理を強く持つ人々は支援を受ける当事者になることが困難であることを指摘した。
著者
宮前 良平 渥美 公秀
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
pp.1711, (Released:2018-03-21)
参考文献数
40

本研究は,津波で流出した被災写真を目にした被災者の「語りにならなかった事例」をもとに,語りえないことが復興に果たす役割を考察したものである。まず,先行研究においては復興過程で被災者が語らなかったこと,語りえないことについての議論がほとんどなされていないことを確認した。そのうえで,それらに着目することが実践的にも意義があるということを言語化可能な経験Aと言語化不可能な経験Bについての議論をもとに,本研究の前提として示した。これらの議論を通して,本研究のリサーチクエスチョンとして,「経験Bを第三者が共有するにはどのような方法があるか」「経験Bをめぐる現場のダイナミズムは,時間によってどのように変容するか」「津波という喪失経験からの復興という文脈において,経験Bは復興とどのようにかかわっていくか」の3点を提示した。本研究では,語りえないものを調査する道具としてなにげない日常が写っている被災写真を用いた。また,語りにならなかった事例を描写するために,岩手県野田村での被災写真返却お茶会の実践を通じた3年以上に亘るフィールドワークを実施し,その中から4編のエスノグラフィを示した。考察において,一枚の写真と「秘密」としか語らない被災者の様子から,語りえないことを第三者が共有する際に語りえないことを写真として名指すことの可能性を示し,その時間的変容を分析した。また,言葉にならないようななにげないことが写真として他者にも開かれていることを指摘し,このことが復興過程における新たな公共性の萌芽となりうることを論じた。
著者
堀江 尚子 渥美 公秀 水内 俊雄
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.1-17, 2015 (Released:2015-12-22)
参考文献数
51

本研究は,ホームレスに対する支援のための入所施設において,継続的な支援の関係の構築を目指したアクションリサーチであり,支援の関係性の継続と崩壊という現象を理論的に考究するものである。近年,急増したホームレスの人々が抱える問題は多様である。なかでも対人関係に問題を抱える人は少なくない。ホームレスの支援活動では,当事者と支援者の関係性の継続が重要である。関係性の継続には,関係の本来の様態である非対称が非対等に陥らないことが要請され,そのためには偶有性を喚起・維持する方略に希望がある。本研究はこの方略を組み込んだアクションリサーチである。具体的には,ホームレスを多く引き受ける生活保護施設Yが開催するコミュニティ・カフェに注目し,その施設の退所者と地域の人々の協働の農作業プロジェクトを実践した。偶有性の概念を媒介にして戦略的な実践によって継続的な関係が構築された。支援関係の継続と崩壊について理論的考究を行い,労働倫理を強く持つ人々は支援を受ける当事者になることが困難であることを指摘した。
著者
三隅 二不二 渥美 公秀 矢守 克也
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.11-22, 1989-03-15 (Released:2016-11-23)

The inhabitants' response before and after a landslide disaster was examined. The disaster was characterized by the following three distinctive features. First, in one of the damaged areas, the inhabitants were given, a week in advance, an instruction to evacuate because of an eventual landslide. However, no landslide occurred then. Second, in another damaged area, where no pre-instruction were given, there were 26 victims, while no person was victimized to death in the area mentioned above. Third, some inhabitants constituted a committee to cope with the disaster. We conducted a series of research using face-to-face interview and questionnaire method. 145 of the 241 inhabitants answered the questionnaire. The results showed three major points. First, the instruction for evacuation in the case of pre-landslide, was perceived positively by the inhabitants. Second, some interpersonal networks formed by the inhabitants had much positive effects on their coping with the disaster. Third, the inhabitants tended to believe that the landslide was due more to technical and organizational reasons after and before the disaster than to natural ones.
著者
宮本 匠 渥美 公秀
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.17-31, 2009
被引用文献数
1

災害復興には,「目標」の共有が大切といわれる(室崎,2007)。しかし,実際に地域において,それらはどのように生まれ,存在し,共有されていくのだろうか。災害復興における「目標」は,人々がどのように災害を経験するのかということと深く結びついている。本研究は,2004年10月23日に発生した新潟県中越地震における川口町木沢集落の復興過程についての長期的なフィールドワークをもとになされたものである。中越地震の被災地の多くは,山間に散らばる小さな中山間地集落である。地震は,折からの過疎化・高齢化をさらに加速させた。これら困難な課題が山積した被災地において,人々はどのようにして肯定的な未来に向かって歩みを進めることが出来るのか。本論では,被災者と外部支援者が新しい現実についてのナラティブを恊働構築することで創造的な復興をめざす,災害復興へのナラティブ・アプローチを提案した。本研究は,グループ・ダイナミックスの観点から,災害復興に対して外部支援者の立場を利用して新しいナラティブを生成するというアクションリサーチの試みである。<br>
著者
加藤 謙介 渥美 公秀
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.67-83, 2002-04-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
46
被引用文献数
2 2

本研究では, 動物介在療法 (Animal Assisted Therapy: AAT) の効果を, 集合体の全体的性質 (集合性) の変容という観点から検討し, 廣松 (1989) の表情論を援用して考察を試みた。近年, 医療・看護・介護などの治療場面に動物を介入させるAATが導入され, これまでに, 生理的・心理的・社会的効果が見出されている。本研究では, AATに関する諸研究を概観し, その中で見出されたAATの諸効果を批判的に検討した。その上で, 老人性痴呆疾患治療病棟A病院において実施された, AATの一種であるドッグ・セラピーを参与観察した。A病院でのドッグ・セラピーは, 約10ヶ月間継続されたが, 対象者はもちろんのこと, 病院職員やドッグ・セラピーを実施するボランティアなど, ドッグ・セラピーに携わる人々に様々な変化が見られた。筆者らは, ドッグ・セラピーが実施された集合体において観察された, 対象者自身, 病院職員, ボランティアの3者の変化を, 表情性感得を契機とする集合性変容過程であるとし, その含意を考察した。
著者
渥美 公秀 杉万 俊夫 森 永壽 八ツ塚 一郎
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.218-231, 1995-11-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
3
被引用文献数
2

本研究は, 1995年1月17日午前5時46分に発生した阪神大震災の被災地・被災者を救援するために組織された2つのボランティア組織-西宮ボランティアネットワークと阪神大震災地元NGO救援連絡会議-について参与観察法を用いて検討したものである。まず, 各組織の成立過程, および, 活動内容の概略を紹介した。次に, ボランティアに関する一般的な考察を行った上で, 両組織を災害救援における広域トライアングルモデルを用いて比較考察した。両組織には, 地元行政との関係, および, 将来への展望において明確な違いが見られた。
著者
宮本 匠 渥美 公秀 矢守 克也
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.35-44, 2012 (Released:2012-10-25)
参考文献数
10
被引用文献数
2 1

研究者と研究対象の間に一線を画して,対象を客観的に記述しようとする自然科学に対して,人間科学は研究者と当事者による恊働的実践として進められるが故に,アクションリサーチとしての性格を宿している。本稿は,人間科学のアクションリサーチにおいて研究者がとる独特な視点とその役割を,新潟県中越地震の被災地で継続しているアクションリサーチの事例から理論的に明らかにしたものである。その際,大澤(2005)による,柳田國男の遠野物語拾遺の説話についての解釈を援用し,われわれの経験の社会的構成が「言語の水準」と「身体の水準」による複層的な構成をとっていること,それが当事者の「個人の内的な世界」と当事者の内属する「共同体の社会構造」の両者に存在していることを述べたうえで,当事者の「身体の水準」に留まっている他者性を回復させることでベターメントを図ることが人間科学のアクションリサーチにおける研究者の役割であり,その二重の複層的な構成をみる「巫女の視点」が人間科学のアクションリサーチにおいて研究者がとる視点であることを論じた。最後に,アクションリサーチにおける研究者は,その実践過程を言語によって回顧的に報告し,次の実践やさらなる共同体のベターメントへつなげていくところまでを射程としていることを指摘した。
著者
宮前 良平 渥美 公秀
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.122-136, 2017 (Released:2017-04-27)
参考文献数
54

東日本大震災以降,津波で被災した写真を持ち主に返す被災写真返却活動が生まれ,それに関する研究が行われるようになった。しかし,それらの先行研究において被災者に焦点を当てた研究は,依然として存在しない。また,写真は,災害以前の何気ない日常を写したものであるが,復興研究において災害以前の語りや想起に着目した研究は少ない。そこで本研究は,被災写真返却活動の現場において,震災以前に撮影された被災写真や,それを返すという取り組みが被災者にいかに作用するのかについて明らかにすることを目的とする。本研究は,東日本大震災の被災地の1つである岩手県九戸郡野田村で開催されている「写真返却お茶会」への1年以上に及ぶフィールドワークに基づいて行われた。そして,フィールドワークの内容を4編のエスノグラフィにまとめた。その結果,被災者が復興の過程において,津波による物理的な喪失という第1の喪失だけでなく,その第1の喪失すら失われていくという第2の喪失を経験していることが確認された。さらに,第2の喪失に対して写真返却活動がいかに抗しているかについて,「集合的記憶」と「非意図的想起」を用いて考察した。
著者
多賀 陽子 余谷 暢之 山口 悦子 池宮 美佐子 倭 和美 山野 恒一 平井 祐範 渥美 公秀
出版者
特定非営利活動法人日本小児血液・がん学会
雑誌
小児がん : 小児悪性腫瘍研究会記録 (ISSN:03894525)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.42-48, 2005-05-25
被引用文献数
2

大阪市立大学医学部附属病院小児病棟では,1998年以降,医学部学生ボランティアが,入院中の子どもの遊びや学習の相手として,「医学部学生ベッドサイドボランティア活動」という活動を行っている.この活動でボランティアは,子ども達の入院中の生活で「当たり前のように"そこ"にいる近所のお兄ちゃん,お姉ちゃん」として,子ども達と長期的・継続的に関わり信頼関係を築いている.本報告では,男女2名の学生ボランティアが,血液疾患・悪性腫瘍の思春期男子・女子との関わりをエスノグラフィーに記し,また退院した子どもと保護者に対して半構造化面接を行い,その結果を報告した.さらにエスノグラフィーと面接の結果から,思春期の子どもにとっての,学生ボランティア活動の役割・意義について考察した.
著者
片田 敏孝 及川 康 金井 昌信 結城 恵 渥美 公秀 淺田 純作 結城 恵 渥美 公秀 淺田 純作
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

本研究は、「災害に強い地域社会の形成技術の開発」を最上位の目標に掲げ、地域社会が自然災害からの被害軽減に対して効率的に機能するよう形成されるための技術の一般化を図ることをもって我が国の防災科学に資することを目的としている。具体的には、災害文化を地域に再生させるためのコミュニケーション手法やコミュニティが希薄な地域におけるコミュニケーション手法などの開発や実践から得られた知見を一般化し、その体系化を図った。
著者
高野 尚子 渥美 公秀
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.185-197, 2007 (Released:2007-09-05)
参考文献数
16
被引用文献数
4 2

本研究は,阪神・淡路大震災記念,人と防災未来センターをフィールドに,公的な施設での語り部による阪神・淡路大震災の伝承と聞き手の応答について考察したものである。筆者らはこれまで人と防災未来センターでフィールドワークを行い,語り部と聞き手の対話を理論的に検討してきた。そして,その中で,語り部活動の現場では,聞き手が震災の語り部という役割に期待する「震災なるもの」の語りとは異なる語りが聞かれることがあり,また語り部にとっても聞き手に期待する反応が得られないことがあるということがわかった。本研究では,こうした対話のズレが見えるとき,それを「対話の綻び」と称することとし,その例を紹介する。ここでの「対話の綻び」とは,語り部の語りの中で,公的な震災のストーリーと私的な体験との間のズレが露呈することにより,語り部と聞き手の双方にとって互いが期待する反応を得られないことをあらわす。無論,語りは本来,公―私の軸のみに限定されるものではないが,ここでは公的なストーリーを発信する人と防災未来センターにおける,ボランティアの私的な語りに注目しているので,公―私に関わるものに注目した。その結果,対話の綻びは,震災を伝える障害となっているのではなく,聞き手に「震災が自分に起こりうるかもしれない」という偶有性を喚起する可能性があることを述べた。さらに,実践的な提言として,綻びを顕示し,偶有性を高め,伝達を促進する役割を担う媒介者(mediator)の導入の意義についても考察した。
著者
宮前 良平 渥美 公秀 Miyamae Ryohei Atsumi Tomohide ミヤマエ リョウヘイ アツミ トモヒデ
出版者
「災害と共生」研究会
雑誌
災害と共生 (ISSN:24332739)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.1-11, 2018-04

一般論文本研究は、復興における死者との共生について、その現状と倫理的な問題を指摘したうえで、その問題を乗り越える方策を考察したものである。まず、これまでの復興研究を概観し、復興におけるアプローチが創造的復興論的アプローチから共生社会的アプローチへと大まかに移行しつつあることを指摘し、共生社会論的アプローチが対処しなければならない課題として犠牲のシステムを挙げた。次に、犠牲のシステムが顕在化した問題として、震災後の死者との臨在を取り上げ、死者の声を生者が代弁せざるを得ない非倫理性を指摘した。その非倫理性を乗り越えるヒントを例示するために、筆者のフィールドノートや、東日本大震災後の東北で注目され始めた幽霊譚を紹介した。最後に、死者の臨在は、その死者を記憶しておかなければならないという責任の感覚によってもたらされており、死者を死者として語るのではなく、死者を生者として語ることについての倫理的可能性を示唆した。The present study discusses a kyosei (living together in harmony) with the dead in a post-disaster society. While most definitions of kyosei say nothing about harmonious living with the dead, we embrace this contradiction for the purposes of our analysis. We define recovery as a process of building a kyosei society following a disaster that includes harmonious living between survivors and reconciliation with the loss of loved ones. However, when we discuss kyosei, we must also examine social, economic and ethical sacrifices made in the process of recovery that work against kyosei. These sacrifices create a structure that produces a gap between exploiters and the exploited, that is, those who benefit at the expense of others in disaster recovery. The structure is called the system of sacrifice (Takahashi, 2012). Disaster capitalism, for example, allows a few people (e.g., entrepreneurs, politicians) to economically benefit from survivors. Furthermore, the system of sacrifice leads to an ethical maxim; we must not talk about the dead because the dead can never reply – it literally means just a monologue by survivors. This inability to talk about or with the dead is one of the obstacles to creating a post-disaster kyosei society. However, we often hear stories of the dead from survivors of the Great East Japan Earthquake and Tsunami of 2011. We believe that the story of ghosts and dialogue with the dead is a key to building a kyosei society. We describe the days in Banda Aceh, where there were many victims of the 2004 Indian Ocean tsunami, as an ethnography and introduce the story of a ghost in the city of Ishinomaki following the 2011 tsunami in Japan. Finally, we conclude with a discussion of why survivors tend to tell ghost stories with a sense of responsibility for disaster deaths from a memory theory perspective.