著者
山階 芳麿 真野 徹
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.147-152_3, 1981
被引用文献数
22

沖縄島北部の通称ヤンバルと呼ばれている丘陵地帯に,地上を歩くクイナの1種が居る事は少し前から知られていたが,山階鳥類研究所の真野徹外数氏が環境庁の鳥類標識調査事業の一環として国頭郡奥間において,1981年6月18日から7月7日にかけて調査を実施し,そのクイナの成鳥及び幼鳥各1羽の捕獲に成功した。これら2羽については,各部を詳細に調べた後,足環をつけて捕獲した元の場所に放した。又これより前にフエンチヂ岳附近の林道脇にて拾得された1個体を名獲市の友利哲夫氏が標本として保存していたが,これも今回捕獲したものと同種である事がわかった。<br>これら3個体は羽色が<i>Rallus torquatus</i>及びその亜種に似ているが,嘴と脚が赤色でやや大きく,それに比例して翼と尾が長くなく,又最外側の初列風切羽はそれ以外の初列風切羽より短いなどの点が異なるので,今迄に発見された事のない新種のクイナと断定し,ここに新種として記載する。

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