- 著者
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細井 洋子
岡田 正博
濱田 稔夫
- 出版者
- 日本皮膚科学会大阪地方会
- 雑誌
- 皮膚 (ISSN:00181390)
- 巻号頁・発行日
- vol.27, no.4, pp.692-696, 1985
42歳, 女性。合板会社で研磨作業に従事して2週後より, 顔面, 頸部, 前腕に蚤痒を伴う多型紅斑様皮疹を生じ, 漸次, 躯幹, 下肢にも拡大し, 水疱形成も認められた。コルチコイド内服にて皮疹消退後, 標準アレルゲンの職業シリーズおよび接触した木材によるパッチテストを施行し, パープルローズのみに強陽性を示した。パープルローズはボリビアより輸入され, ローズウッドの代用品として使用されており, Machaerium属木材と考えられた。従って, この症例は, パープルローズによるアレルギー性接触皮膚炎と診断され, 感作源はR-3, 4-dimethoxydarbergioneとそのquinolと推測された。