著者
格谷 敦子 中川 浩一 濱田 稔夫 浅井 芳江 山本 裕子
出版者
Japanese Dermatological Association
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.102, no.9, 1992

母親と娘2人の1家族3人に発症したX-linked dominant chondrodysplasia punctataの3例を報告した.娘2人に骨X線像で点状石灰化像,側彎,楔状椎が見られ,低身長,鞍鼻,下肢長差などの骨格異常がある.乳児期に特徴的な線状または流水状の鱗屑,痂皮を伴うび慢性紅斑が見られ,成長と共に消失し,鱗屑を伴う多角形萎縮性局面となった.母親に低身長,左上下肢の短縮,左眼白内障,腕には毛孔性萎縮を認める.父親,兄には異常は認められない.組織像:角層は層状肥厚し,付属器開口部の開大と角栓形成を認める.顆粒層は1~2層で顆粒変性はなく,有棘層は不規則に肥厚している.真皮上層に軽度の小円形細胞浸潤がある.
著者
谷井 司 加藤 順子 八代 典子 新藤 季佐 幸野 健 濱田 稔夫 山口 武津雄
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.155-163, 1991 (Released:2010-08-25)
参考文献数
12
被引用文献数
1

乾燥性皮膚疾患に対するスクワランの有用性, 皮膚刺激性, 保湿性について検討した。貼布試験は73例全例陰性であった。使用試験では乾皮症, 手湿疹に有用で, 炎症を伴わないアトピー性皮膚炎にも有効であったが, 炎症を伴っている場合には慎重に使用することが望ましいと思われた。症状別では皮膚の乾燥に特に有効であった。この理由としては, 保湿能の検討より角層水分の貯留作用によるものと思われた。以上よりスクワランは, 適切に使用すれば安全性が高く, ベタつくという不快感がほとんどなく, 使用感も良好で, 乾燥性皮膚疾息の治療に有用と思われた。
著者
浅井 芳江 濱田 稔夫 鈴木 伸典 中野 和子 谷井 司 泉谷 一裕
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.93, no.4, 1983

背部正中部,鎖骨上部,肋骨部,前脛骨部,肘頭,膝蓋部などに褐色の色素沈着を生じた19歳から36歳の男2例,女11例,計13例について臨床的,病理組織学的に検討を行った. 臨床的には,比較的若いやせ型の女性に好発し,癈埠は無いかあっても軽度で,色素沈着は前記の骨の直上部皮膚に限局するものが多く,一部の症例では上背部,頚部に及んでおり,その性状はびまん性,表面平滑で角化傾向は示さない.病理組織学的,組織化学的所見では,表皮基底層のメラニン顆粒の増加と真皮上層に多数の melanophage を認めたが炎症性細胞浸潤は極く僅かであった.アミロイド染色では全例にアミロイドの沈着は認められなかった. このような症例の記載は成書にはみられないが,臨床的には特異であり,1つの entity と考えたい.原因はなお不詳であるがその一因として,当該部ではその直下に骨が存在し,皮下脂肪が少ないことも相まって,慢性刺激,摩擦,圧迫などの機械的刺激を受けやすいことが挙げられる.併せて皮膚アミロイドーシスの中,特に臨床像が類似する macular amyloidosis との関係について考察を加えた.
著者
中川 浩一 茶之木 美也子 小林 裕美 八代 典子 依藤 時子 染田 幸子 竹村 宏代 福田 道夫 濱田 稔夫
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.670-682, 1994

シプロキサン<SUP>&reg;</SUP>錠 (ciprofloxacin, CPFX) の皮膚組織への移行性と臨床的有用性を検討した.移行性は10名の健常成人男女にCPFXを200mg投与し, 2時間後に血液と皮膚を採取してそのCPFX濃度を高速液体クリマトグラフィーを用いて測定した.その測定値は, 0.99±0.18μg/ml (血清中), 1.18±1.54μg/g (皮膚組織中) で, 組織移行率 (皮膚組織中濃度/血清中濃度) の平均は1.12と計算された.また, 対照薬として, tosufloxacin (TFLX) も150mgを, 同一人かつCPFX内服と同時に投与し, 同様の測定を行った.結果は, それぞれ, 0.49μg/ml, 0.34μg/g, 0.57であった.すなわち, CPFXにおける値は, いずれも, TFLXにおける値よりも統計学的有意差をもって高値であった.臨床試験では30名 (男女各15名, 平均46歳) の皮膚感染症患者に, おおむね, 600mg/dayのCPFXを7-14日間投与してその臨床効果を調べた.その結果は著効; 15例, 有効38例, やや有効; 3例, 無効; 1例, 判定不能; 3例であり, 有効率は85.2%であった. また, 試験開始時に採取した検体から12株の<I>S</I>.<I>aurens</I>株が分離され, CPFXのMICは12株中10株において0.2μg/ml以下であった.以上の成績から, CPFXは皮膚組織移行性においてTFLXよりも優れ, 皮膚科領域感染症にきわめて有用であることが示された.
著者
葭矢 信弘 庄司 昭伸 北島 淳一 格谷 敦子 濱田 稔夫
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会
雑誌
皮膚
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.702-708, 1985

48歳, 61歳, 47歳の男性および38歳の女性の4例のペラグラについて報告した。いずれも極端な偏食家で, うち2例がアルコール中毒患者である。顔面, 頸部, 四肢の露出部等にペラグラ疹が出現した。Dermatitis, diarrheaおよびdementiaの3D症状すべてを備えたもの2例, 残る2例のうち1例は消化器症状のみ伴い, 1例は皮膚病変のみみられた。血液ニコチン酸はすべて低下又は正常下限を示した。男性の3例はスラム街の住民であり, 現在でも特殊な社会環境下では散発的にみられる疾患ではないかと思われる。各症例の特徴を比較し, ペラグラの最近の傾向について文献的に考察を加えた。
著者
幸野 健 石井 正光 濱田 稔夫 谷井 司
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.699-707, 1991 (Released:2010-08-25)
参考文献数
33

自律神経失調症を合併する皮膚科疾患患者12図に対して, 自律神経調整剤トフィンバム (グランダキシンR) の有効性を検討した。トフィンバムは1日150mgを2週間以上投与した。蕁麻疹では, 著効2例, 有効1例, 皮膚癌痒症では有効と無効各1例, 多汗症では, 著効2例, やや有効と無効が各1例, 円形脱毛症では, 著効とやや有効が各1例, ヘルペス後神経痛1例では, やや有効であった。すなわち, 12例中7例に有効以上 (58.3%), 10例にやや有効以上 (83.3%) の効果を認めた。皮膚科的症状に伴い, 種々の身体的・精神的症状も軽快が見られた。副作用は1例にのみ軽度の眠気が見られた。以上の如く, 症例を選べば, トフィソパムは皮膚科領域においても有用な薬剤と考えられた。
著者
石井 正光 幸野 健 北島 淳一 谷井 司 細井 洋子 庄司 昭伸 依藤 時子 浅井 芳江 濱田 稔夫
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.74-81, 1986 (Released:2010-08-25)
参考文献数
5
被引用文献数
1

顔面に湿疹・皮膚炎を有する30症例に対して酪酸クロベタゾン (キンダベート®) 軟膏の外用を行ない, その臨床効果と副作用について検討した。外用期間は平均47.0日, 最長, 175日と比較的長期にわたり, 薬剤の総使用量は1.8gから100gであった。30例中2例はやや改善と評価されたがその他の全例にて改善以上の効果が認められ, 有効率は93%と高い値を示した。副作用は全症例において認められなかった。このため有用度も有用以上94%と高値を示した。以上の結果より, 本剤は, 顔面などのステロイド外用剤により比較的問題を生じやすい部位にも使いやすい薬剤であると考えられる。

1 0 0 0 OA ペラグラの4例

著者
葭矢 信弘 庄司 昭伸 北島 淳一 格谷 敦子 濱田 稔夫
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.702-708, 1985 (Released:2010-06-04)
参考文献数
15

48歳, 61歳, 47歳の男性および38歳の女性の4例のペラグラについて報告した。いずれも極端な偏食家で, うち2例がアルコール中毒患者である。顔面, 頸部, 四肢の露出部等にペラグラ疹が出現した。Dermatitis, diarrheaおよびdementiaの3D症状すべてを備えたもの2例, 残る2例のうち1例は消化器症状のみ伴い, 1例は皮膚病変のみみられた。血液ニコチン酸はすべて低下又は正常下限を示した。男性の3例はスラム街の住民であり, 現在でも特殊な社会環境下では散発的にみられる疾患ではないかと思われる。各症例の特徴を比較し, ペラグラの最近の傾向について文献的に考察を加えた。

1 0 0 0 OA 副乳の家族例

著者
沢辺 元和 古川 雅祥 濱田 稔夫
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.732-736, 1987 (Released:2010-08-25)
参考文献数
20

症例は35歳, 男性。出生時より, 右乳房下方と左乳房下方に, 1ヵ所ずつ類円形の淡褐色斑が存在しており, 初診時右乳房下方約3cmの所に20mm×10mmの, 左乳房下方約9cmの所に15mm×5mmの, 肉眼的に乳房に類似した類円形で境界鮮明な扁平な茶褐色の皮疹を認め, その中心部には黒褐色の乳頭様構造を, 周辺部には発毛を認めた。組織学的には, 表皮のpapillomatosisと基底層のメラニン顆粒の増加, また真皮中層に束状に散在する平滑筋組織と真皮下層にやや拡張した乳管を認めた。更にその母と次女にも同症を認めた。母は両側腋窩に1ヵ所ずつ, 次女では左乳房下方に1ヵ所存在し, それぞれ乳頭様構造を認め, いずれも臨床的に副乳と診断した。