- 著者
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江原 宏
HARLEY Madeline M.
BAKER William J.
DRANSFIELD John
内藤 整
溝田 智俊
- 出版者
- 日本熱帯農業学会
- 雑誌
- 熱帯農業
- 巻号頁・発行日
- vol.50, no.3, pp.121-126, 2006
サゴヤシ (<I>Metyoxylon sagu</I> Rottb.) の種内形質変異を検討するため, インドネシアの西パプア (イリアンジャヤ) に生育する有刺folk varietyおよび西スマトラに生育する無刺folk varietyの乾燥標本から得た花粉の形態を調査比較した.両folk varietyとも1個体に両性花と雄花の両方を着生し, いずれのfolk varietyでも両性花と雄花のサイズに大きな違いはなく, 雄花では雌蕊は退化していた.両性花と雄花の両方とも花粉を生じ, SEM観察したところ, 花粉粒は短赤道軸上に2つの発芽孔を有する長楕円形であった.花粉形状に変異がみられたが, それは花粉壁 (エキシン) の収縮や膨張の程度の違いによるものと考えられた.また, 両folk varietyの両性花, 雄花とも花粉粒のテクタムは滑らかで疎らに穴が散在していた.このように, 花粉の外壁形質, 花粉の形状などいずれも両folk variety間に差はみられないことが明らかとなった.