著者
佐藤 瑠美 張 勁 山腰 裕子 佐竹 洋 竹内 章 岡村 行信
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.182, 2004

2001年、北海道茂津多岬沖海底で、1km2弱の豹紋状巨大バクテリアマットが発見された。本研究は、この巨大バクテリアマットの生成メカニズム、海底冷湧水とテクトニクスの関連性を明らかにすることを目的とした。1999-2003年計10回の潜航調査により採取された柱状試料で、バクテリアマット下0-4cmbsfで、急激な硫酸濃度減少が見られ、硫酸還元菌も確認された。硫酸還元は、メタン又は有機物と反応するが、間隙水中のΔSO4とΔCa+ΔMgのモル比が1:1であることより、メタン起源であることが分かった。また、塩素濃度減少と、δ18O/δDの値から、メタンの起源がメタンハイドレートである可能性が大きいと推測され、堆積物中の有機炭素量にも支持された。さらに、斜面崩壊の痕跡と共にバクテリアマット下5-37cmbsfで強い硫化水素臭の砂利層が確認され、地殻熱流量の実測値と合わせた結果、砂利層を通って、メタン源からメタンが広域に供給されることが考えられる。

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