著者
森 数馬 中村 敏枝 安田 晶子 正田 悠
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.99-99, 2008

音楽の印象における歌詞の影響を定量的に検討した研究は数少なく、これまでの研究では、歌詞における意味内容と声質や歌い方を混同して歌詞の影響を測っている。本研究は、歌詞の言語の意味内容が認知できない演奏音と文字で書かれたその歌詞の邦訳を用いることで歌詞における意味内容と声質や歌い方を区別し、歌詞の意味内容が演奏音の印象に影響を与えるかを定量的に検討することを目的として実験を行った。演奏音と歌詞の意味内容の印象がかけ離れた作品2つを刺激とし、同一の参加者が3条件(演奏音のみ呈示、歌詞のみ呈示、演奏音+歌詞呈示)で実験を行い印象を測定した。実験の結果、両作品において演奏音+歌詞の印象は、歌詞よりも演奏音に近い印象を示すという傾向があった。したがって、本研究で用いたような作品の印象において、歌詞の意味内容という論理情報が及ぼす影響は弱く、演奏音という感性情報が及ぼす影響が強いということが示唆された。

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