- 著者
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正田 悠
- 出版者
- 立命館大学
- 雑誌
- 若手研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2015-04-01
「音楽は感情の言語である」といわれるように,音楽には意図や感情を受け手に伝達するコミュニケーションとしての機能がある。本研究では,演奏者と鑑賞者が「共に会する」生演奏における,演奏者ならびに鑑賞者の時々刻々の反応を調べた。特筆すべき成果として,生演奏場面では,演奏者の不安が高い("あがり" を経験している)と,演奏に伴う身体運動が抑制されること,心拍数および心拍のゆらぎが大きくなること,生理的複雑性が低下することが示された。また,鑑賞者の微細な身体運動,鑑賞時の時々刻々の印象の変化,および心拍数は,録音された演奏をスピーカーで聴取するときよりも生演奏鑑賞中に抑制される傾向にあることが示された。