著者
栗山 浩一 庄子 康 柘植 隆宏
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.127, 2016

2013年6月,富士山が世界文化遺産に登録されたが,富士山の世界遺産登録は富士山のある富士箱根伊豆国立公園の観光利用に影響を及ぼす可能性がある。そこで,富士山が世界遺産に登録される前後の2012年から2014年の全国の国立公園の訪問行動を分析し,世界遺産登録が各国立公園の訪問行動にもたらした影響を評価することで,世界遺産登録の経済価値を分析する。過去1年間の国立公園の利用回数をたずねるアンケート調査をWeb調査により3年間実施した。3年間累計で7373人から有効回答が得られた。この訪問データをもとにクーンタッカーモデルを用いて分析したところ,富士箱根伊豆国立公園の訪問価値は2012年では一人あたり平均3736円,2013年では7326円,2014年では8218円と上昇傾向にあった。この訪問価値のうち世界遺産登録による影響をDifference-in-Difference推定量を用いて計測したところ,世界遺産登録価値は2013年では2621円に対して2014年では4281円と上昇し,2014年の訪問価値のうち約半分が世界遺産登録の効果であることが示された。

言及状況

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富士山が世界遺産に登録されたことにより生じた影響について調べている。 入山者数の変化や周辺地域の経済効果、環境面など、あらゆる影響を調べたい。

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