著者
吉田 拓哉 中川 敦子
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.144, 2013

背景音楽の歌詞が文章課題の遂行を妨害することが報告されている。本研究は,この影響を実行注意の個人差から検討した。実行注意の効率を測定する尺度としてエフォートフル・コントロール(EC)尺度を用い,大学生をEC低群とEC高群に群分けした。そして両群ともに無音,音楽のみ,音楽・歌詞の3つの音楽環境条件で,文章課題と計算課題を行った。課題ごとに作業量を分析した結果,EC低群の音楽・歌詞条件で文章課題の作業量減少が認められたが,高群は両課題のどの条件でも差は認められなかった。よって課題遂行時の背景音楽の歌詞による妨害効果は,実行注意の働きで軽減される可能性が示された。また課題ごとに正答率を分析した結果,音楽のみ条件で正答率が低下した。この結果からは,音楽・歌詞条件では,より注意を喚起する歌詞に抵抗するために却って課題に集中した一方で,音楽のみ条件では,音楽によって弛緩状態に陥った可能性が考えられる。

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"より注意を喚起する歌詞に抵抗するために却って課題に集中した...可能性が考えられる。" 背景音楽の歌詞が課題遂行に与える影響:実行注意の個人差からの検討 https://t.co/brG8Fr4qfc
名古屋市立大学の実験結果を真に受けるなら、彼は"注意の制御能力"が低い、という事になりそう。注意の制御能力に問題がなければ生産性が音楽に影響は受けることはないっぽい。 https://t.co/brG8Fr4qfc https://t.co/Cbdc5FclHb

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