- 著者
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壹岐 伸弥
大住 倫弘
赤口 諒
谷川 浩平
奥埜 博之
- 出版者
- 理学療法科学学会
- 雑誌
- 理学療法科学
- 巻号頁・発行日
- vol.32, no.6, pp.937-941, 2017
〔目的〕日常生活動作は概ね自立しているも在宅復帰に対する不安を強く訴えた症例の要因について明らかにすること.〔対象と方法〕対象は橋延髄梗塞によりWallenberg症候群を呈した患者 1 名.一般的な理学療法評価に合わせて,入院時から退院までの約150日間,1週間ごとに①10 m歩行試験,②自己効力感,③不安と抑うつ,④状態-特性不安の評価を実施した.〔結果〕10 m歩行試験と不安・状態不安,自己効力感と③・④との間に負の相関を認め,10 m歩行試験と自己効力感の間に正の相関を認めた.また,片脚立位時間の延長に伴いできる日常生活動作も拡大した.〔結語〕退院に向けて心身能力の改善が不十分であった症例に対して,前庭機能に着目した介入や心理面への考慮が必要であった可能性が示唆された.