- 著者
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大久保 洋子
長尾 慶子
松本 祥子
松本 時子
- 出版者
- 一般社団法人 日本家政学会
- 雑誌
- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
- 巻号頁・発行日
- vol.55, pp.123, 2003
[目的]食生活指針に「食文化や地域の産物を活かし・・」とうたわれているように食事に対する知識や料理技術の伝承が失われつつあり、その存続が危惧されている。そこでその実態を知り、今後の食物教育に役立てることを目的に調査を行った。[方法]神奈川・秋田・山形3地域の短大生の親世代40~50代について、留置き式で調査を行い(1)現在作られている行事食の種類(2)手作り食品名および作り方を知った手段、(3)伝承料理の意識、(4)存続させたい伝承料理名、(5)伝承させたい料理技術を検討した。[結果]調査対象者は神奈川109、山形83、秋田176名であった。結果は(1)年越し蕎麦と雑煮は地域、年代に関わらず8割以上で食べていた。おはぎが次いで多く約7割、7草粥は約5割を占めた。(2)手作り食品では赤飯、おはぎ、漬物が地域差がなく、特に白菜漬けは秋田・山形に多く、神奈川では糠味噌漬けが多かった。伝承の手段は祖母と母からが多くを占めた。(3)日本の伝承料理を引き継ぎたい意識が神奈川(5割)山形(7割)秋田(3.5割)、新旧とりまぜて安全な手作り食品を伝えたい意識が神奈川(6割)山形(7割)秋田(6.5割)、それに対して加工食品及び流行の料理を取り入れたい意識が神奈川(2割)山形(4割)秋田(2割)とわずかな地域差がみられた。(4)存続させたい伝承料理は煮物・赤飯・雑煮(神奈川)、赤飯・漬物・きりたんぽ・梅干・おはぎ(秋田)、煮物・漬物・赤飯・雑煮・笹まき・ぼたもち(山形)が多かった。(5)伝承させたい料理技術は庖丁・食器の手入れ、食材の選び方、調味の仕方、衛生面の知識(神奈川)、山形では調味の仕方、魚のおろし方、食材の選び方、食事のマナー、献立の知識、秋田では調味の仕方、魚のおろし方、だしの取り方、箸使いが多かった。