著者
斎藤 寛子 松本 時子
出版者
山形県立米沢女子短期大学
雑誌
山形県立米沢女子短期大学紀要 (ISSN:02880725)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.83-90, 2008-01

本研究では、ボン・デ・ケージョに使われるタピオカスターチの代替として、薄力粉、中力粉、強力粉、上新粉、白玉粉、片栗粉、コーンスターチを用い、調整を試み、その形状及び嗜好性について検討を行なつた。結果は以下の通りである。(1)外観は、白玉粉・片栗粉のパンの表面に亀裂が生じ、断面の気泡が多かった。(2)膨化率には、大きな差がみられ、白玉粉と片栗粉のパンは大きく膨らんだ。コーンスターチのパンは生地が形状を維持しないために高さがなく幅が広くなった。(3)水分含有量は、中力粉のパンが一番多く、白玉粉・コーンスターチのパンが少なかった。(4)白玉粉のパンはタピオカスターチのパンに外観は似ているが、抵抗応力については有意な差が見られた。(5)官能検査の結果、総合評価において、白玉粉と強力粉のパンが好まれたが、片栗粉と薄力粉のパンは好まれなかった。以上の結果より、白玉粉が最も適し、上新粉と片栗粉は不適当と思われる。
著者
松本 時子 中村 百合子 畑江 敬子 島田 淳子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.46-49, 1995-02-20

紅玉とふじの熟成度の異なるリンゴを用い、砂糖濃度30%と60%のジャムを調製し,粘弾性と官能検査による識別と嗜好性を検討した。1.リンゴ生果の水分は紅玉の場合,1ケ月保存により87.23%〜85.01%に減少したが,ぶじは,84.50%〜84.12%と,ほとんど変化しなかった。糖度は,Brix値で紅玉(12.0〜13.0),ぶじ(10.9〜14.0)とも熟成が進むにつれて高くなった。紅玉のpH値は,試料間に差がなく(3.50〜3.54),ふじのpH値は3.54〜4.14と熟成が進むにつれ高くなった。粗ペクチン量は,紅玉に多く,特に果皮に多かった。2.紅玉の過熟のジャムが貯蔵弾性率,損失弾性率とも高かったが,パネルはその差を識別できなかった。3.生果では好まれない未熟果も,ジャムにすれば好まれることが分かった。4.総合的た好ましさにおいては,酸味と甘味のいずれも強い紅玉を好む人と,マイルドなふじを好む人に好みの傾向が分かれ,いずれのジャムもそれぞれの好ましさがあることが認められた。終りに本研究にあたり,ご協力いただきましたお茶の水女子大学生活科学部調理学研究室のみたさんに感謝致します。
著者
大久保 洋子 長尾 慶子 松本 祥子 松本 時子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.123, 2003

[目的]食生活指針に「食文化や地域の産物を活かし・・」とうたわれているように食事に対する知識や料理技術の伝承が失われつつあり、その存続が危惧されている。そこでその実態を知り、今後の食物教育に役立てることを目的に調査を行った。[方法]神奈川・秋田・山形3地域の短大生の親世代40~50代について、留置き式で調査を行い(1)現在作られている行事食の種類(2)手作り食品名および作り方を知った手段、(3)伝承料理の意識、(4)存続させたい伝承料理名、(5)伝承させたい料理技術を検討した。[結果]調査対象者は神奈川109、山形83、秋田176名であった。結果は(1)年越し蕎麦と雑煮は地域、年代に関わらず8割以上で食べていた。おはぎが次いで多く約7割、7草粥は約5割を占めた。(2)手作り食品では赤飯、おはぎ、漬物が地域差がなく、特に白菜漬けは秋田・山形に多く、神奈川では糠味噌漬けが多かった。伝承の手段は祖母と母からが多くを占めた。(3)日本の伝承料理を引き継ぎたい意識が神奈川(5割)山形(7割)秋田(3.5割)、新旧とりまぜて安全な手作り食品を伝えたい意識が神奈川(6割)山形(7割)秋田(6.5割)、それに対して加工食品及び流行の料理を取り入れたい意識が神奈川(2割)山形(4割)秋田(2割)とわずかな地域差がみられた。(4)存続させたい伝承料理は煮物・赤飯・雑煮(神奈川)、赤飯・漬物・きりたんぽ・梅干・おはぎ(秋田)、煮物・漬物・赤飯・雑煮・笹まき・ぼたもち(山形)が多かった。(5)伝承させたい料理技術は庖丁・食器の手入れ、食材の選び方、調味の仕方、衛生面の知識(神奈川)、山形では調味の仕方、魚のおろし方、食材の選び方、食事のマナー、献立の知識、秋田では調味の仕方、魚のおろし方、だしの取り方、箸使いが多かった。
著者
斎藤 寛子 松本 時子
出版者
山形県立米沢女子短期大学
雑誌
山形県立米沢女子短期大学紀要 = Bulletin of Yonezawa Women's Junior College
巻号頁・発行日
vol.43, pp.83-90, 2008-01-01

本研究では、ボン・デ・ケージョに使われるタピオカスターチの代替として、薄力粉、中力粉、強力粉、上新粉、白玉粉、片栗粉、コーンスターチを用い、調整を試み、その形状及び嗜好性について検討を行なつた。結果は以下の通りである。(1)外観は、白玉粉・片栗粉のパンの表面に亀裂が生じ、断面の気泡が多かった。(2)膨化率には、大きな差がみられ、白玉粉と片栗粉のパンは大きく膨らんだ。コーンスターチのパンは生地が形状を維持しないために高さがなく幅が広くなった。(3)水分含有量は、中力粉のパンが一番多く、白玉粉・コーンスターチのパンが少なかった。(4)白玉粉のパンはタピオカスターチのパンに外観は似ているが、抵抗応力については有意な差が見られた。(5)官能検査の結果、総合評価において、白玉粉と強力粉のパンが好まれたが、片栗粉と薄力粉のパンは好まれなかった。以上の結果より、白玉粉が最も適し、上新粉と片栗粉は不適当と思われる。