著者
佐藤 愛 芝木 美沙子 川邊 淳子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.62, pp.22, 2010

〈B〉目的〈/B〉 衣生活では食生活に比べ、学校教育を離れると手作りをする機会や場が減ってしまうという現状がある。また、核家族化が進みライフスタイルが多様化する中、妊婦が出産・子育てへの不安を抱えたまま、多忙な生活でお腹の中の赤ちゃんへの愛情をゆっくりと醸成させることができない状況にあるのではないかと考えられる。そこで本研究では、子育て支援の新たな取り組みを考える上で、妊婦のものづくり体験についての意識と実態を明らかにすることを目的とした。〈BR〉〈B〉方法〈/B〉 調査対象は、北海道A市の産科婦人科病院に通院する妊婦、および子育て支援事業の親学入門講座に参加する妊婦合計615名、調査方法は留置法による質問紙調査、調査時期は2009年6月下旬~8月上旬で、有効回答数は491名(79.8%)であった。調査内容は、裁縫技能の習得状況および方法、赤ちゃんに関する小物の製作経験および意欲、衣生活に関するものづくりの実態、子育て観などであった。。〈BR〉〈B〉結果〈/B〉 妊婦の63.7%から、生まれてくる子どものために衣生活に関するものづくりをしてあげたいという回答が得られた。その理由としては、「あたたかみ・愛情が感じられる」(16.3%)が一番多く、次に、「作ってあげたい・身につけさせてあげたい」等が続いた。一方、実際赤ちゃんに関する小物の製作経験をもつ妊婦は26.7%にとどまった。また、衣生活におけるものづくりをしない妊婦は70.9%にものぼり、「時間がない・忙しい」(29.9%)などの物理的要因とともに、「苦手・不得意」(21.8%)といった技能的な要因が多くあげられた。さらに、技能習得状況として、家庭科男女共修世代か否かの29歳を境に、ある一定の特徴が認められた。

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