著者
菊池 里奈 藤井 克幸 上林 悠人 塚畑 宏大 佐藤 愛実 早瀬 彩乃 小宮山 典寛
出版者
一般社団法人 日本獣医麻酔外科学会
雑誌
日本獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:21896623)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.29-35, 2020 (Released:2020-11-02)
参考文献数
14

ネコの尿管閉塞に対する療として、SUB(Subcutaneous ureteral bypass)はスタンダードな治療手段であるが、その多くがX線透視下で実施されている。我々はSUBの設置を、超音波ガイド下および術中単純X線撮影(非透視下)で行っており、今回はその13症例の治療成績、合併症、予後について検討した。その結果、超音波ガイド下におけるSUB設置においても腎数値は従来の報告と同様に改善し、臨床症状も改善した。合併症に関しては、今回の検討では従来の報告に比較すると、術後感染率がやや高かったが、長期的な予後は良好であり、超音波ガイド下でのSUB設置はネコの尿管閉塞に対する有効な一手段と考えられた。また、SUBのカテーテル閉塞防止に関する検討として、食餌内容変化と尿比重の関連を検討したが、症例数が少なく今回は明らかな結果は得られず、更なる検討が必要と考えられた。
著者
佐藤 愛子 岩原 信九郎
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.232-235,254, 1962-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
5

某県の高校入学者の女子について,入学試験,入学時の知能検査結果,および入学後の学業成績間の相関を求めたところ,入試と学業の相関がきわめて高く,また学業成績は学年がすすんでもあまり相対的位置をかえないにもかかわらず,知能と成績との相関は意外に低く,しかも学年のすすむにつれて低下の傾向を示した。このことは入学後の成績の予言には入試のもつ重みはきわめて高いが,知能の重みは無視できるほど低いことと,学業成績は年とともに知能の因子を含む割合が減少する傾向のあることを示している。この点,大学入学のときの学科試験や進学適性検査のもつ意味といちじるしく異なる。なぜなら大学の場合はこれら2つの変数は入学に適さないものを落すという意味はあるかもしれないが,入学後の成績を予言することは非常に困難であるからである。

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著者
佐藤愛子著
出版者
文藝春秋
巻号頁・発行日
2005
著者
佐藤 愛
出版者
日本ミシェル・アンリ哲学会
雑誌
ミシェル・アンリ研究 (ISSN:21857873)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.1-6, 2020 (Released:2020-06-28)
参考文献数
5

In this book, Kawase indicates the parallelism between the ideas of the French philosopher Michel Henry and those of the Japanese psychiatrist-philosopher Bin Kimura around the “phenomenology of life”. The “phenomenology of life” is elaborated by the French philosopher to innovate “proto-phenomenology”, which derives mainly from Husserlian phenomenology. Although Kimura never mentioned Henry’s “phenomenology of life”, Kawase dares to link his thoughts by means of Kimura’s philosophy on life. For Kimura, life had two dimensions: “bios” as the individual life of living beings and “zōē” as life in general. In this review, we support Kawase’s philosophy for presenting new thoughts on life. Concurrently, we have some questions regarding this philosophy. First, how can we think of life as “zōē” through life as “bios”? According to Kawase, it is fine art that connects these two forms of life. We would like to push this concept forward. Second, we wonder about Kawase’s opinion on the link between the two forms of life. According to his assertion, the sense of the link between these two forms of life seems to be lost in our modern daily life; however, if this link really exists, this sense would be received with too much enthusiasm. We hypothesize that there are those who have yet this sense; for example, some autists find the connection with the whole world, or life as “zōē, ” in their daily lives. We conclude that this book has the potential to let us realize that we, as well as this type of person, can find this sense calmly in our life as “bios”.
著者
山本 肇 佐藤 愛実 齋川 健志 彌勒 清可 関本 正泰 二本栁 洋志 石幡 哲也 高田 直樹
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.335-341, 2022-04-25 (Released:2022-04-25)
参考文献数
9

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検査として汎用される抗原定性検査は,簡便かつ安価に検査可能であることから広く用いられる一方,核酸増幅検査との不一致例も報告されるが頻度や症例に関する詳細な報告が少ない。検査法による診断性能の違いを明らかにするため,SARS-CoV-2抗原定性検査キット「クイックナビTM-COVID19 Ag」と核酸増幅検査の結果を後ろ向きに比較検討した。同時提出された2,721件を対象に,両者を比較したところ,全体一致率99.3%が得られた。抗原定性検査陰性,核酸増幅検査陽性となった症例を13例認めた。多くの症例でCt値が高い傾向を示しており,ウイルス量が少ないことで抗原定性検査の検出感度を下回り,核酸増幅検査との結果が一致しなかった可能性が考えられる。一方,抗原定性検査陽性,核酸増幅検査陰性となった症例を7例認めた。いずれも,COVID-19は否定され,抗原定性検査偽陽性の判断であったが,全症例で偽陽性の原因の特定に至らなかった。以上のことから,「クイックナビTM-COVID19 Ag」はSARS-CoV-2抗原定性検査として十分な性能を有していることが明らかとなった。一方でイムノクロマト法として偽陰性や偽陽性を避けることはできないため,利用者は検査法の特性について十分に留意したうえで使用することが求められる。
著者
佐藤 愛子
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会雑誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.66, no.10, pp.490-494, 1982

In order to ask the subjects to answer their preference among environmental stimuli, and to estimate the extent of their own sensitiveness to intense or weak sensory stimuli, the two checklists were compiled. Using these lists, the two researches conducted.<BR>Research 1: By the Varimax method of the factor analysis, the 8 factors were obtained from the 36 items list with 100 male medical students. The following labeles were given to each of these 8 factors; A) General sensitivity, B) Temporal sensitivity, C) Orientation to the weak stimuli (the 2 factors were contained in this label), D) Orientation to the intense stimuli (the 2 factors were contained in this label), E) Activation level, and F) Abnormal temporal sensitivity. The label C) means the weakness in tolerance for intense stimuli, and the D) meansto to lerate intense stimuli.<BR>Research 2: The 6 factors were obtaind from the 58 items list with 229 male engineering students. The 5 factors of the 6s were named the same as to each of the 5 labeles in the research 1 (A to E). The other one was labeled G) sensorymotor reactivity. There is no abnormal sensitivity F).<BR>Discussion: The 4 properties, labeled A to D, were the sensory properties common to large samples of subjects. The other three were the depending properties on the individual differences in subjects. Since no factor correlations were in all factor combinations statistically, the common properties were inter independently. Thus we analogize that is not always necessary for the non-sensitive subjects to like the intense sensory stimuli, and not always necessary for the sensitive subjects to prefer the weak stimuli in environments.
著者
佐藤 愛子
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.146-151, 1972-08-10 (Released:2010-07-16)
参考文献数
12
被引用文献数
3 3
著者
佐藤 愛 芝木 美沙子 川邊 淳子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.62, pp.22, 2010

〈B〉目的〈/B〉 衣生活では食生活に比べ、学校教育を離れると手作りをする機会や場が減ってしまうという現状がある。また、核家族化が進みライフスタイルが多様化する中、妊婦が出産・子育てへの不安を抱えたまま、多忙な生活でお腹の中の赤ちゃんへの愛情をゆっくりと醸成させることができない状況にあるのではないかと考えられる。そこで本研究では、子育て支援の新たな取り組みを考える上で、妊婦のものづくり体験についての意識と実態を明らかにすることを目的とした。〈BR〉〈B〉方法〈/B〉 調査対象は、北海道A市の産科婦人科病院に通院する妊婦、および子育て支援事業の親学入門講座に参加する妊婦合計615名、調査方法は留置法による質問紙調査、調査時期は2009年6月下旬~8月上旬で、有効回答数は491名(79.8%)であった。調査内容は、裁縫技能の習得状況および方法、赤ちゃんに関する小物の製作経験および意欲、衣生活に関するものづくりの実態、子育て観などであった。。〈BR〉〈B〉結果〈/B〉 妊婦の63.7%から、生まれてくる子どものために衣生活に関するものづくりをしてあげたいという回答が得られた。その理由としては、「あたたかみ・愛情が感じられる」(16.3%)が一番多く、次に、「作ってあげたい・身につけさせてあげたい」等が続いた。一方、実際赤ちゃんに関する小物の製作経験をもつ妊婦は26.7%にとどまった。また、衣生活におけるものづくりをしない妊婦は70.9%にものぼり、「時間がない・忙しい」(29.9%)などの物理的要因とともに、「苦手・不得意」(21.8%)といった技能的な要因が多くあげられた。さらに、技能習得状況として、家庭科男女共修世代か否かの29歳を境に、ある一定の特徴が認められた。
著者
藤山 友紀 立花 詠子 塚原 丘美 草間 実 今峰 ルイ 溝口 麻子 間瀬 創 佐藤 愛 関口 まゆみ 渡会 敦子 中島 英太郎
出版者
名古屋学芸大学管理栄養学部
雑誌
名古屋栄養科学雑誌 = Nagoya Journal of Nutritional Sciences (ISSN:21892121)
巻号頁・発行日
no.4, pp.9-16, 0208-12-25

糖尿病治療では、良好な血糖コントロールを行う上でエネルギー摂取量の遵守は重要である。しかし、糖尿病治療薬によっては安静時エネルギー消費量(REE)に影響を及ぼすことが報告されている。そこで、sodium glucose cotransporter 2(SGLT 2)阻害薬のREEに及ぼす影響を検討した。外来受診中の2 型糖尿病患者20名を対象に、SGLT 2 阻害薬服用前と3か月後でREE 測定、体組成測定、血液検査、食物摂取頻度調査を行い比較した。結果、REE は服用前後で1554±257kcal/ 日から1491±313kcal/日と低下傾向を示したものの有意差は認められなかった。また、体重当たりのREEも有意差は見られなかった。体重や体脂肪量が有意に低下したが、骨格筋量は有意な変化は見られなかった。以上の結果より、3ヶ月間のSGLT 2阻害薬服用ではREEに影響を及ぼさない可能性が示唆された。今後は症例数を増やした検討が必要である。
著者
佐藤 愛美 東海 正 川端 淳
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.81, no.2, pp.290-292, 2015
被引用文献数
5

複数の目合を組み合せた調査用流し網による資源調査の結果からマイワシに対する網目選択性を求めた。マイワシが多獲された目合 33,37,44,48 mm では大きな目合ほど大きな個体が獲られる網目選択の効果が認められ,その目合別体長組成から選択性曲線を推定した。選択性曲線の最適体長に該当するマイワシは鰓蓋後縁よりやや前の胴周長が網目内周長と一致することから,「鰓かかり」や「刺し」による漁獲と推察された。より大きな目合で漁獲されるマイワシは「鰓かかり」や「刺し」ではなく「絡み」で漁獲されたことが示唆された。<br>
著者
大濱 俊彦 佐藤 愛 田中 聡 石塚 恒夫 勝盛 弘三
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.34-39, 2012 (Released:2012-02-09)
参考文献数
8

20年前に1型糖尿病と診断されインスリン加療中の54歳の男性が,全身倦怠感,脱力感にて当院救急室を受診した.受診3日前より食後の心窩部痛を自覚し,摂食すると嘔気嘔吐がみられたため,食事摂取もできず,受診2日前からインスリン注射を中断していた.受診当日,コーヒー残渣様嘔吐を認め,その後全身脱力感,意識レベル低下を認めたため救急車要請となった.救急車内でモニター上10秒程度のVT波形となり,血圧も低下した.到着時意識障害を認め,心電図波形で高カリウム血症性変化を認めた.血液検査にて血糖値1435 mg/dl, K 8.6 mEq/l,アシドーシスを認め糖尿病ケトアシドーシス(Diabetic ketoacidosis,以下DKAと略す)と高カリウム血症にて緊急入院となった.その後の集学的治療にて病態をコントロールすることができた.翌日の上部消化管内視鏡にて上部消化管に出血性潰瘍を認めた.DKAから高カリウム血症を認めることはあるが,K 8.6 mEq/lという著明な高カリウム血症はあまり報告例をみない.本症例は消化管出血や腎前性腎不全も併発していたために致死性不整脈が生じるほどの血清カリウムの上昇につながったと思われる.糖尿病罹病期間の長いDKAで著明な高カリウム血症を認めた場合,背景に消化管出血を合併している可能性があり,本症例のように早急な治療が求められることが多いため注意を要する.
著者
[佐藤愛麿編]
出版者
[伏見宮]
巻号頁・発行日
1931
著者
陸田 明智 小倉 由佳理 佐藤 愛子 寺井 里沙 鈴木 崇之 升谷 滋行 宮崎 真至 本淨 学 角野 奈津
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.276-282, 2014 (Released:2014-06-30)
参考文献数
25

目的 : レジンペーストの保管温度条件がその硬化物の機械的性質に及ぼす影響について, 曲げ特性および表面硬さを測定するとともに, レーザー顕微鏡を用いてコントラクションギャップの観察を行うことによって検討した.  材料と方法 : 供試したレジンペーストは, ユニバーサルタイプのEstelite Σ Quick, BeautifillⅡ, Filtek Supreme UltraおよびSolareの4製品, インジェクタブルタイプのMI Fillの合計5製品とした. レジンペーストの保管温度条件は, 5℃冷蔵庫保管 (冷蔵条件), 23℃室温保管 (室温条件) およびコンポジットレジン加温器を用いて45℃にした条件 (加温条件) の合計3条件とした. これらの保管温度条件で硬化させた試片について, 曲げ強さ, 曲げ弾性率およびヌープ硬さを測定するとともに, レーザー顕微鏡を用いてウシ抜去歯にレジンペーストを充塡した際のコントラクションギャップの観察を行った.  成績 : レジンペーストの保管温度条件が, 曲げ強さおよび曲げ弾性率に及ぼす影響は, いずれの製品においても, 冷蔵条件と比較して室温および加温条件で有意に高い値を示した. ヌープ硬さについては, いずれの製品においても, 冷蔵条件と比較して室温および加温条件で有意に高い値を示したが, その傾向は製品によって異なるものであった. コントラクションギャップの観察については, いずれの製品においても, 冷蔵条件においては窩洞隅角部にギャップの形成が顕著に観察されたが, 室温条件ではギャップ幅が減少し, さらに加温条件では, ほかの条件と比較してギャップ幅の減少が観察された.  結論 : レジンペーストの保管条件としての環境温度は, その機械的性質および窩壁適合性に影響を及ぼすことが示唆された.
著者
辻本 暁正 鈴木 崇之 佐藤 愛子 寺井 里沙 高橋 史典 川本 諒 坪田 圭司 高見澤 俊樹 宮崎 真至
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.162-169, 2014 (Released:2014-05-07)
参考文献数
26

目的 : 光重合型コンポジットレジン (光重合型レジン) 修復の臨床応用範囲の拡大に伴って, 大型窩洞に対して一括で充塡できるバルクフィルコンポジットレジンが開発され, 臨床応用されている. しかし, このカテゴリーに属するコンポジットレジンの市販から間もないこともあり, これらの機械的諸性質に関する情報は少ないのが現状である. そこで, バルクフィルコンポジットレジンの機械的諸性質について, 市販されているコンポジットレジンと比較, 検討した. 材料と方法 : 供試した光重合型レジンは, バルクフィルレジンとしてTetric N-Ceram Bulk Fill (Ivoclar Vivadent) およびSDR (Dentsply DeTrey), ユニバーサルコンポジットレジンとしてTetric N-Ceram (Ivoclar Vivadent) およびEsthet・X HD (Dentsply DeTrey), フロアブルコンポジットレジンとしてTetric N-Flow (Ivoclar Vivadent) の合計5製品を用いた. これらの光重合型レジンについて, 硬化深さ, 無機フィラー含有量, 曲げ強さおよび曲げ弾性率および体積重合収縮率を, 通法に従って測定した. また, 供試した光重合型レジンのフィラー性状について, フィールドエミッション型SEMを用いて加速電圧10kVの条件で観察した. 成績 : バルクフィルレジンの硬化深さは, 3.42~4.27mmであり, その値は製品により異なるものの, 市販の光重合型レジンと比較して有意に高い値を示した. 供試した光重合型レジンの無機質フィラー含有量は60.3~77.5wt%であり, ペーストタイプの光重合型レジンがフロアブルタイプのものと比較して有意に高い値を示した. バルクフィルレジンの曲げ強さは123.3~127.5MPaおよび曲げ弾性率は7.0~8.0GPaであり, その値は製品により異なるものであった. バルクフィルコンポジットレジンの照射開始180秒後の体積重合収縮率は, 2.12~2.23vol%であり, ユニバーサルコンポジットレジンより大きく, フロアブルコンポジットレジンより小さい値を示した. 結論 : 本実験の結果から, バルクフィルコンポジットレジンは, 市販の光重合型レジンと比較して, その硬化深さの値が大きくなっているとともに機械的強度も同等あるいはそれ以上であった. したがって, これらのバルクフィルコンポジットレジンは, 今後の光重合型レジン開発の一つの方向性になるものと考えられた.