- 著者
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木村 留美
杉山 寿美
石永 正隆
- 出版者
- 日本調理科学会
- 雑誌
- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
- 巻号頁・発行日
- vol.20, pp.96, 2008
<BR> 【目的】<BR> 白飯とおかずで構成される日本の食事様式は"口中調味(口中に残るおかずの味で白飯を味付けする)"により白飯をおいしく食べてきたと考えられる。しかし現在の食事はおかずのみを食べるなど、必ずしも白飯とおかずから構成されていない。我々はこの要因をおかずと一緒に白飯をおいしく食べることができないためではないかと考え調査を行った。<BR>【方法】<BR> 女子大学生を対象として口中調味実施群74.5%(214名)と非実施群25.5%(73名)で比較した。調査項目は白飯の摂取頻度・量、好きな味付け、白飯と料理の関係(白飯がないとおいしく食べられないおかず・白飯をおいしくするおかず)等とした。<BR>【結果・考察】<BR> 実施群は非実施群よりも白飯の摂取量が有意に多かった。「好きなおかず」に両群に差は認められなかったが、実施群で「甘い醤油味」「甘い味噌味」などを好きとした者が有意に多かった。両群とも5割以上の者が「白飯がないとおいしく食べられないおかず」とした料理は、カレー、鯖味噌煮、豚生姜焼き、漬物、麻婆豆腐、煮魚であり、85%以上の者が「白飯をおいしくするおかず」とした料理は、カレー、豚生姜焼き、鶏照り焼き、煮魚、鯖味噌煮、肉じゃが、筑前煮、すきやき、味噌汁、漬物、麻婆豆腐、焼肉であり、和風料理が多かった。また、実施群では非実施群よりも各料理を「白飯をおいしくするおかず」とした者が多く、春巻、焼売、魚ムニエル、目玉焼き、とんかつ、コロッケ、魚ホイル焼き、餃子、焼肉、麻婆豆腐、魚塩焼き、肉じゃがで有意な差が認められ、油脂を用いた甘味のない洋風・中国風料理が多かった。「白飯がおいしくなるおかず」に差が認められたことは、両群で白飯を食べる際の食事内容(献立構成)が異なることを示唆している。