著者
坂本 裕子 桐村 ます美 豊原 容子 福田 小百合 湯川 夏子 米田 泰子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.31, 2019

<p>【目的】平成24・25年度特別研究として京都府下の昭和30〜40年代の家庭の食について行った聞き取り調査から,副菜の地域別特徴を探った。</p><p>【方法】京都府下の北部(丹後,舞鶴,丹波),京都市内,南部(京田辺,宇治田原)の地域において,64歳から84歳の計22名を対象として平成25年12月〜平成26年2月に聞き取り調査を行った。これより地域別に副菜の特徴を比較検討した。</p><p>【結果および考察】各地域とも季節ごとに地元で採れる野菜や山菜,芋,豆を中心に,日々の副菜を作っていた。北部や南部では野菜や豆は自給自足,市内では店での購入が多かった。調理法としてはお揚げと炊く煮物,和え物,汁物が多く,大根をはじめ野菜はさらに多様な漬物や干し物にして保存性を高め料理に利用していた。古漬け沢庵はひと手間をかけ,「ぜいたく煮」として府下それぞれで食べられていた。野菜や芋の煮物は全域で「○○の炊いたん」と呼んでいたが,わかめ等の海産物利用は北部の海寄りで多くみられた(料理例「わかめのパ−」)。</p><p>地域別に料理をみると,汁物は北部で「けんちゃん」,京都市内,南部で「粕汁や若竹汁」が,和え物は北部で「白なます」,市内で「ずいきのごま酢和え」,南部で「古老柿なます」が,常備菜は北部で「ふき味噌や黒豆味噌」,市内で「きごしょうの炊いたんや山椒とちりめんじゃこの炊いたん」が作られていた。漬物は「糠漬」が多いが,市内の北では「すぐき漬やしば漬」も作られていた。保存性を増すとともに,多く収穫した時は南部では「きゅうりとお揚げの炊いたん」を作るなど食材の有効利用が図られていた。福知山では豆,京田辺では田辺ナスを利用した料理が多く見られ,京野菜や地域の特産野菜の利用が進められた。</p>

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