著者
末吉 昌宏 前藤 薫 槙原 寛
出版者
森林総合研究所
雑誌
森林総合研究所研究報告 (ISSN:09164405)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.171-191, 2003-09
被引用文献数
7 2

茨城県北部の温帯落葉樹林の二次林、混交林、自然林に調査地を設定し、皆伐後の二次林回復時における有弁類を除く双翅目短角類の種数・個体数を通年で調査した。その結果、41科441種余りを見い出し、それら短角類群集の種構成は森林の成熟に伴って変化する傾向にあることが明らかになった。植食性、菌食性、腐食性、捕食性および捕食寄生性といった短角類の多様な食性を代表する分類群としてミバエ科、トゲハネバエ科キイロトゲハネバエ属、ハナアブ科、クチキバエ科、キアブ科、キアブモドキ科、アタマアブ科が挙げられ、それぞれが森林の遷移に対して異なった応答を示すことが明らかになった。また、本研究では森林に生息する主要な短角類として、オドリバエ科、ハナアブ科、シマバエ科が挙げられ、そのうちハナアブ類群集の種構成は遷移の進んだ林齢の似通った二次林および自然林間では殆ど変化は無く、皆伐地、混交林、壮齢林のように異なる森林タイプで大きく異なっていた。そのため、ハナアブ科は様々な森林タイプを含む景観の多様性を評価するのに有用であると考えられる。

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