著者
山本 政一郎 尾方 隆幸
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-03-10

高校の「地理」の自然地理分野および「地学」の地球・大気・海洋分野は共通する内容が多い。共通分野については、両科目が協調して対象を取り扱うことで、より系統的・総合的な地球物理に関する理解が深まるはずである。しかしながら、同科目内においても教科書によって同じ概念を示す用語が異なる、あるいは、同じ用語の説明が異なる用語が散見される。これでは、共通理解どころか教えられる生徒側に理解の混乱をもたらす。これらの相違を即時に解消することは困難としても、教育者側が相違の現状を把握しておくことで、それらに留意した説明をするなど、教育現場での対応ができよう。 そこで本発表では、上掲の分野の中で、教科書によって異なる記載が見られる事項を中心に、地学・地理の全ての現行教科書(地理B3冊、地理A6冊、地学2冊、地学基礎5冊、科学と人間生活5冊の計21冊)を対象として表記の比較検討を行った。地形分野では大地形および、沖積平野に関する記述がどのように区分されているか、またそれらの発達過程の扱い方はどのようであるかについて、気象・気候分野では大気大循環で使われる用語・説明の範囲、および気候区分に関する記述の違いを中心に比較検討した。

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