著者
太田 成男 上村 尚美 ウォルフ アレクサンダー 井内 勝哉 西槙 貴代美 一宮 治美
出版者
日本医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

分子状水素(H2)は、様々な細胞内情報伝達調節と遺伝子発現制御によって、健康増進・疾患の予防に寄与する。本研究では、H2がどのように遺伝子発現を制御するメカニズムを解明することを目的とする。フリーラジカル連鎖反応にH2は介入して、酸化リン脂質を改変し、Ca(2+)シグナリングを通して遺伝子発現を制御することを明らかにした。これに加えて、H2は、PGC-1α遺伝子発現増加を促し、脂肪酸とステロイド代謝を亢進する。メカニズムとして、H2が4-ヒドロキシ-2-ノネナールを減少させ、Akt/FoxO1シグナリングとその一連のシグナリングを通して、PGC-1αは間接的に制御される。
著者
太田 成男 上村 尚美 ウォルフ アレクサンダー 西槙 貴代美 一宮 治美 横田 隆
出版者
日本医科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

放射線によって ヒドロキシルラジカルが生じ、それがトリッガーとなってラジカル連鎖反応を生じさせ、主に細胞膜において細胞障害をあたえることが知られている。低濃度の水素は、ラジカル反応誘発剤による細胞障害も抑制したので、水素は少量でも脂質ラジカルを抑制することにより連鎖反応を抑制して細胞を保護することを明らかにした。さらに、低い水素濃度でも、細胞膜の脂質過酸化を抑制することを明らかにした。本研究では、放射線障害を水素が抑制する可能性を示唆し、その分子機構の一端を明らかにしたが、それをそのまま社会に適用するためには不十分である。