- 著者
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エカナヤケ リラニ
メンディス ランジット
安藤 雄一
宮崎 秀夫
- 出版者
- 有限責任中間法人日本口腔衛生学会
- 雑誌
- 口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
- 巻号頁・発行日
- vol.49, no.5, pp.771-779, 1999-11-30
- 参考文献数
- 15
ここ10年以上,スリランカでは児童・生徒の口腔の健康増進を目指して,プライマリーヘルスケアアプローチに基づく数多くの保健計画を実施してきた。また,厚生省は文部省との協力のもと,小学校教師に対し口腔保健の基礎を教育し,口腔保健教育のやり方を訓練してきた。さらに,国民の口腔健康増進のためにマスメディアも重要な役割を担ってきた。しかしながら,これらすべての計画や活動の目標が望ましい行動をもたらすための,口腔保健に関する基礎知識を与えることであるにもかかわらず,児童・生徒の口腔保健知識やその実践の現状を評価することはほとんどなされてこなかった。そこで,この研究は青年を評価対象とし,口腔保健に関する知識,意識,行動の様相を把握し,あわせて,歯磨き頻度に影響を与える要因を調べることを目的に行われた。無作為に抽出された2市および8村の公立学校に在学する11年生(平均年齢15.7歳)492名が,担任の監督下にアンケートを回答した。生徒の大部分はう蝕と歯同病の予防に関する知識は持っていたが,これらの原因についてはいくらかの考え違いがあった。知識と意識に関する平均スコアは,いずれも村の生徒より市内の生徒のほうが有意に高かった。ロジスティック回帰分析の結果,性,居住地,口腔保健知識,および口腔保健に関する情報を受けたかどうかの4項目は,(保健行動の1つである)歯磨き頻度と有意に関連していることが示された。以上の所見より,村の生徒の口腔保健に関する知識,意識,行動は市内の生徒より劣っている,したがって,村の生徒向けに口腔保健計画を改善することによって,口腔保健に関する知識と行動のレベルを高める努力がなされるべきであるという結論を得た。