著者
伊豆 裕一 加藤 裕治 林 在圭 イズ ユウイチ カトウ ユウジ イム ゼエギュ Yuichi IZU Yuji KATO Jaegyu Lim
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 = Shizuoka University of Art and Culture bulletin
巻号頁・発行日
vol.15, pp.73-84, 2015-03-31

1955 年、東京芝浦電気より発売された自動式電気釜は、米と水を入れてスイッチを入れればおいしいご飯が炊けるという、今では当たり前となったことを実現した夢の商品であった。日本国内で急速に普及率を伸ばした電気釜は、その後、アジアの各国に輸出され、米食を簡単で身近なものとした。本稿では、まず、我が国における、電気釜の普及と生活文化の関係を、デザインと広告の変遷を見ることで考察する。つぎに、同じく米を主食とする韓国における電気釜のデザインの変遷との比較を行うことで、地域の食文化と家電製品の関係について論じる。
著者
加藤 裕治 カトウ ユウジ Yuji KATO
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 = Shizuoka University of Art and Culture bulletin
巻号頁・発行日
no.13, pp.115-121, 2013-03-31

本稿では、イギリスの産業遺産—特に世界遺産でもある7つの遺産が—日本の旅行ガイドブックとインターネット上の個人ブログにおいて、どのような情報や関心に基づき、その遺産が紹介されているかを見ていく。観光のまなざし論では、ある対象が観光地として認知され、イメージ形成されていく過程において、メディアの影響が大きいと論じられてきた。海外にある遺産の認知やイメージ形成には、特にこうしたメディアの影響が大きいと考えられる。また近年は、インターネットによる個人的な情報発信が盛んになり、遺産の観光地化のプロセスにおいて、旅行ガイドブックと異なる情報や関心で観光地が紹介されている可能性が高い。こうしたメディア環境の変化が観光のまなざしに与える影響を考察するためには、各メディアにおける情報発信の視点や関心の違いを対比し、各メディアの役割について考えていくことが必要である。