著者
柿島 佑一 金 ミンジ ティン シーホー 小野 文枝 阪口 啓 荒木 純道
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.188, pp.43-49, 2006-07-20

筆者らはMIMOシステムの研究開発を目的とした5GHz帯MIMOソフトウェア無線機を開発した.本無線機はFPGA, DSPといったプログラマブルロジックやCPUを搭載しており,内部プログラムの書き換えにより任意のMIMOシステムの構築が可能である.本稿では,このハードウェアを用いてIEEE802.11nとIEEE802.16eダウンリンク(DL)PUSC(Partial Usage of subchannels)にそれぞれ準拠したMIMO-OFDM固有モード伝送システムのデモンストレータを構築したので報告する.受信機では受信ビームフォーミングの後にZF, MMSE干渉キャンセラを導入することにより,フィードバック遅延に対する伝送特性の改善を実現した.
著者
阪口 啓 ティン シーホー 荒木 純道
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.87, no.9, pp.1454-1466, 2004-09-01
被引用文献数
15 5

MIMO固有モード通信システムは,MIMO通信システムの中で最大の通信容量を実現できることが理論的に知られているが,実環境での動作報告はまだ行われていない.本論文では,測定器ベースのMIMO固有モード通信システムを構築し,屋内環境において測定実験を行った.その結果,MIMO固有モード伝送が実現可能であることを実験的に証明することができた.次に,スループット最大規範に基づく固有モードごとの適応変調・適応電力制御を行った.その結果,ビット分配特性・電力分配特性は理論計算値とよく一致したものの,高いスループット特性は得られなかった.本論文では,この問題の原因が特にチャネルの時間変動特性・RF系の不完全性(I/Qのアンバランス)にあることを明らかにし,実用化への課題を示す.