2021年度、新型コロナウイルス感染症により、国際シンポジウムは開催できず、さらに延期したが、研究代表者と分担者及び海外協力者たちは、常に連携しながら、資料収集と翻訳を行い、分析を進め、その成果の一部を論文と口頭発表で公開した。代表者都馬バイカルの研究成果は、監修・共著1部、論文1篇、研究発表3件がある。監修・共編著『ハンギン・ゴンブジャブ』は、アメリカ合衆国インディアン大学教授で、スウェーデン宣教師と深い交流があったハンギン・ゴンブジャブ博士の伝記と彼に関する研究論文及び回想文をまとめた研究書である。また、国立民族博物館が主催した日本・モンゴル外交関係樹立50周年記念特別展「邂逅する写真たちーモンゴルの100年前と今」(2022.3.17-5.31)にスウェーデンモンゴルミッションの印刷物を提供し、宣教師エリクソンがモンゴルで撮った写真の解説に協力した。分担者小長谷有紀は、論文Street Dogs in Mongolia Captured by the Pictures in Travelogues from the Late 19th and Early 20th Centuries: A Case Study of Finding Logic in the Photographsと「木へのまなざし」で、宣教師と探検家たちの写真コレクションを横断的に活用し、20世紀初頭のウルガの都市事情を解明した。分担者二木博史は、宣教師ラルソンについて資料収集し、研究を進めてきた。分担者長谷川(間瀬)恵美は、宣教師フランソンについて研究を続けてきた。また、宗教学について論文が「心あたたかな医療によせて―終末期における<魂>への配慮、音楽死生学と緩和ケア―」を『宗教研究』(第34号pp.173-179)に掲載された。