著者
マハウルパタ ターラカ マハウルパタ ダルシャニー 中根 周歩 藤井 格
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.36-43, 2001

本研究ではセグロセキセイ(<i>Motacilla grandis</i>)の雛の餌を,西日本の東広島市で1998年と99年の繁殖期に生まれた31羽の雛を用いて,首締め法で調べた。雛の餌のうち昆虫綱が個体数で85.5%,クモ綱が14.2%,多足綱が0.3%を占めた。乾燥重量でみた場合,昆虫綱のうちトンボ目は餌の4分の1近くを占め,また双翅目,鱗翅目,鞘翅目,直翅目の餌重量も大きかった。ユスリカ科とコカゲロウ科については,個体数は最も多かったが乾燥重量は小さかった。これらの結果は,セグロセキセイは雛の餌を捕獲する際にはある限定された生物(トンボ科,ガガンボ科,ゲンゴロウ科)を好むということを示唆している。