著者
花岡 和聖 リァウ カオリー 竹下 修子 石川 義孝
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.101-115, 2017 (Released:2017-07-27)
参考文献数
26
被引用文献数
1

本研究では,アメリカン・コミュニティ・サーベイの2009~2013年の個票データを用いて,アメリカ合衆国で暮らすアジアの7カ国(日本・韓国・台湾・インド・中国・ベトナム・フィリピン)生まれの既婚女性の長期雇用を対象とした多変量解析を行った.その結果,既婚日本人女性の長期雇用割合は,アジアの7カ国出身女性の中で最も低く,そのことは七つの説明要因の効果を調整した上でも,妥当していることが判明した.また,(1)3歳以下の実子がいる,(2)短大卒の学歴がある,(3)夫が高収入である,といった条件をもつ既婚女性の間では,日本人女性でこの割合が著しく低い傾向にある.アメリカ合衆国で暮らす日本生まれの日本人の夫が高い長期雇用割合を示すとともに,日本人の妻の雇用パターンは,(1)人間関係における母性原理という慣習,(2)集団意識としての「場」の共有,を強く選好する日本的価値規範に根差している,と解釈できる.
著者
花岡 和聖 リァウ カオリー 竹下 修子
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2016年度日本地理学会秋季学術大会
巻号頁・発行日
pp.100164, 2016 (Released:2016-11-09)

本研究の目的は,アメリカン・コミュニティ・サーベイを用いて,結婚や出産後も就業継続がより容易なアメリカに暮らす既婚の日本人女性を対象に分析することで,自然実験的に,日本人女性の専業主婦志向やその背後の価値規範を,他の6カ国のアジア出身女性との比較の上で明らかにすることである。ロジット分析による分析の結果,雇用獲得と関係する複数の要因を調整した上でもなお,アメリカに暮らす既婚の日本人女性の雇用割合は他のアジア出身女性よりも目立って低いこと,特に教育水準や夫の収入,3歳以下の実子の有無,夫婦間のエスニシティの差異などの説明変数の効果に他国の出身女性とは異なるパターンを見出した。