著者
村瀬 弘人 安部 幸樹 一井 太郎 川端 淳
巻号頁・発行日
2017-12-05

第8回極域科学シンポジウム/個別セッション:[OB] 極域生物圏12月5日(火)国立極地研究所 3階多目的会議室The Eighth Symposium on Polar Science/Ordinary sessions: [OB] Polar BiologyTue. 5 Dec./3F Multipurpose Conference Room, National Institute of Polar Research
著者
一井 太郎 張 成年 望岡 典隆 酒井 光夫 吉村 拓 山田 陽巳 本多 仁
出版者
独立行政法人水産総合研究センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

胃内容物の検討にはそのホスト生物の種判別も重要であることからDNAを用いた重要水産動物稚仔の種同定についても継続した。イカ類の種判別に基づいた研究成果を利用し、系群及びイカ類の資源変動やイカ類を利用する魚類資源の動態についての研究を行った。また、まぐろ類については新規核遺伝子マーカーを用いた系統類縁関係についても検討した.イカ類幼生、ウナギ類幼生及びイセエビ類幼生について胃内容物ゲノム解析を継続するとともに、結果の取り纏めを行った。イカ類(アカイカ)とウナギ類(ウナギ、ハモ、アナゴ)については真菌類と微細真核生物に一致するDNAが多く検出されるとともに、ホスト自体の変異型も多く検出されたが、餌生物由来と考えられるDNA分子は検出できなかった。イセエビ科(Palinuridae)、セミエビ科(Scyllaridae)幼生からも同様な生物群とホスト変異型が検出されたが、尾索動物や刺胞動物といったゼラチナスプランクトンのDNAが共通して検出され、これらが餌生物として利用されていることが示された。イセエビ(Panulius japonicus)の近縁種であるカノコイセエビ(Panulirus longipes bispinosus)と大西洋の種(Panulirus echinatus)は秋季に採集された標本であり、これらのゼラチナスプランクトンが検出されたが、春季に採集されたイセエビからはこれらの生物が検出されず、硬骨魚類のDNAが検出された。この違いが季節や海域、あるいは種によるものかどうかは今後の検討課題である。