著者
平井 浩文 一瀬 博文 長井 薫 亀井 一郎
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

世界中で蜂群崩壊症候群や人類に対する悪影響が危惧されている難分解性ネオニコチノイド系殺虫剤(NEOs)が白色腐朽菌により分解可能であるとともに毒性も除去可能であることが明らかとなった。また、本分解反応にはシトクロムP450が関与していることも突き止めた。さらにNEOsのピリジン環を資化可能な細菌を選抜し、白色腐朽菌との共培養を行ったところ、NEOsを効率的に分解可能であることが示唆された。
著者
北岡 桃子 岡村 暢子 一瀬 博文 後藤 雅宏
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.164-169, 2008-04-15 (Released:2008-05-31)
参考文献数
9
被引用文献数
1

FRIP法は,DNA中の既知のSNPsを検出する技術である.1つの品種に対して1組の蛍光ドナー/アクセプタープローブを用いることで,特定の種であるか否かを判別可能であり,解析時間も短く,高精度で解析できる特徴を持つ.本研究では,2色の蛍光プローブを用いたFRIP法により,太平洋産および大西洋産クロマグロの同時種判別技術を開発した.FITC標識した太平洋産クロマグロ識別用プローブおよびTAMRA標識した大西洋産クロマグロ識別用プローブを同一溶液中に混合した.6種のマグロサンプルからそれぞれ転写RNAを調製し,プローブとのハイブリダイゼーション反応を行ったところ,すべてのサンプルにおいて,一旦FRETによる蛍光の消光が確認された.さらに得られたDNA : RNAハイブリッド溶液にRNase Aを添加すると,ミスマッチの有無に応答して蛍光強度に変化が生じ,精度良く種を判別できた.同様の結果は,UV光を励起光として用いた目視判別用の濃縮反応液においても確認された.FRIP法は,簡易,迅速,高精度で安価な分析法として,様々な場面で利用されるものと期待される.