著者
片倉 徳生 三上 勝夫
出版者
北海道文教大学
雑誌
北海道文教大学研究紀要 = Bulletin of Hokkaido Bunkyo University (ISSN:13493841)
巻号頁・発行日
no.43, pp.15-27, 2019-03

管理職から見た学級経営の困難な状況の特徴とその対処を検討するために,北海道内33 市部の公立小学校627 校を対象に調査を行った.調査の結果,194 校から回答があり,学級経営の困難な状況が生じた学校(経験校 72 校)と生じなかった学校(未経験校122 校)に分けて検討した.因子分析の結果,経験校の管理職は,「学習に臨む構えの欠如」,「教師への反発・授業妨害」,「教師への反抗・暴力」が,学級経営の困難な状況の特徴であると捉えた.具体的には,「授業中の私語が多く,教師の注意でやめない」「授業開始後も横を向いて座ったり,教科書やノートを出さなかったりする子の方が多い」が,一番割合が高く,17 年前の調査と同様の結果であった.また,その対処として,「校内教育体制の確立と関係機関との連携・協力」「教師と児童との信頼関係の構築」など,多岐にわたり多面的な対処が大切であることが窺えた.