著者
大久保 正彦 稲垣 成哲 竹中 真希子 黒田 秀子 土井 捷三
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.28, no.suppl, pp.189-192, 2005-03-20 (Released:2016-08-01)
参考文献数
3
被引用文献数
15

本研究では, カメラ付き携帯電話を利用した協調学習支援システムを開発し, その授業実践への利用可能性を評価した.本システムは, カメラ付き携帯電話で撮影された写真を随時自動的にウェブに掲載・公開するとともに, 検索・編集を可能にするものである.小学校1年生及び現職教員を対象とした評価実験における質問紙調査の結果, 小学校1年生において本システムの操作が可能であるとともに, 本システムを利用した学習活動への興味が高いことなどがわかった.現職教員からも小学生と同様に肯定的な評価を得ることができた.また, 現職教員の自由記述の回答からは, 通信コストなどのいくつかの問題点が指摘されたものの, 本システムの授業実践への有効性として, 簡便性, 情報共有とコミュニケーションの活性化などが示唆された.
著者
前田 経雄 土井 捷三郎
出版者
富山県水産試験場
雑誌
富山県水産試験場研究報告 (ISSN:09156542)
巻号頁・発行日
no.17, pp.1-9, 2006
被引用文献数
2

1988年7月、1989年5・6月、および2001年3・10月に富山湾をはじめとする日本海から採集された標本を用い、オオエッチュウバイBuccinum enuissimumの成熟サイズを推定した。本種の貝殻は薄く割れ易いため、殻長が計測できなかった個体については、蓋長径(OD)と殻長(SL)の回帰式(SL=63.859×Log(OD)-111.15、r2=0.94、p<0.001、n=281)により蓋長径から殻長を推定した。成熟度の指標には、生殖腺係数(生殖腺重量/蓋長径(3)×10(4))を用い、雄ではペニス長も併せて使用した。雌雄とも殻長90mm未満では生殖腺係数はほぼ0であったが、雄は殻長100-130mmにおいて、雌は殻長100-140mmにおいて、殻長の大きい個体ほど生殖腺係数の増加する傾向が認められた。ペニスは殻長100mmを境にして急速に大きくなり、殻長120mmでは長さが約60-110mmであった。以上のことから、オオエッチュウバイの雄は殻長100-130mmで、雌は100-140mmで成熟すると推定された。
著者
土井 捷三 武田 義明 五味 克久 田結庄 良昭 今谷 順重 小石 寛文
出版者
神戸大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1989

本研究は次のことを目的にして行われた。1.「災害と防災」に関する教授用モジュ-ルを作成し、それらを統合し、カリキュラム化する。2.「災害と防災」についての意識調査を実施しながら、地域教材が子どもの学習意欲形成に果たす影響を解明する。3.これらを通し、カリキュラムの研究方法を明らかにしながら、災害と防災のカリキュラムを構想する。第1の目的を具体化するために、教材集を作成することにした。教材集は三年間でほぼ核となるモジュ-ルを完成させるようにし、第一年目は地形と地質に関係した災害と防災の現状を、第二年目は植生と植林に関係した防災対策を、第三年目は災害の原因の契機の一つとなる開発の問題と防災対策を取り上げ、教材化を行った。この場合、六甲山という我々の身近にある山を素材にすることにし、また、研究題目にある「地域性を生かした」としたのもこのことを念頭にしているのである。第2の目的を具体化するために、これらモジュ-ルによる授業前と後に調査を行い、地域学習の、学習意欲の形成への効果について解明した。この結果、これら教材は学習の意欲づけに資するということがわかった。第3の目的については具体化へ向けての方向づけを行った。また、現在のところ地域学習の中で実施することが適当であると提案した。以上が三年間に行ってきた成果である。しかし、カリキュラム化の構想が方向づけに止まっていることは不満であるが、これらの研究に比肩しうるものが不在であることを思うと、十分に成果は達成できたと考える。