著者
佐藤 志保 佐藤 幸子 三上 千佳子
出版者
一般社団法人 日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.9-16, 2013-03-20 (Released:2017-03-27)
参考文献数
16

本研究の目的は、先行研究をもとに作成した、採血を受ける子どもの対処行動を予測するために必要な要因のパスモデルを検討することである。小児科外来で採血を受ける3-6歳の子ども(男児32名、女児20名)とその保護者52組を対象とし、保護者への質問紙調査と採血場面の子どもの対処行動を参加観察法にて行った。パス解析により採血中の子どもの対処行動への関連を検討した結果、子どもの入院経験は、保護者が採血前に予測する子どもの対処行動に関連し、さらに、保護者が採血前に予測する子どもの対処行動が、実際の子どもの対処行動に関連していたことが明らかとなった。これにより、採血を受ける子どもに対して、採血前に保護者が予測する子どもの対処行動を把握することが重要であり、こどもの個別性を把握するためのアセスメントに活用できることが示唆された。
著者
遠藤 芳子 武田 淳子 大池 真樹 三上 千佳子 塩飽 仁
出版者
宮城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、東日本大震災後の幼稚園、保育園に通園する子どもとその保護者・保育者の心身の健康の実態から支援ニーズを明らかにし、総合的支援をすることを目的として実施した。保護者・保育者において津波と地震の被害のあった沿岸部にPTSDハイリスク者が多かった。沿岸部の園児や施設職員に気になる症状がみられたが、施設長から支援希望は出されなかった。また、保護者の健康状態が幼児の心身症状の出現に関連があった。保護者は幼児の心身の変化への対応について悩みを抱いていた。研究結果から、対象者に対して総合的支援の必要性があっても相手の気持ちや状況などの個々のニーズに応じて実施しなければならないことが示唆された。