- 著者
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三代 康雄
北原 糺
山本 佳史
久保 武
- 出版者
- JAPAN SOCIETY FOR HEAD AND NECK SURGERY
- 雑誌
- 頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
- 巻号頁・発行日
- vol.14, no.3, pp.315-318, 2005-02-05 (Released:2010-07-27)
- 参考文献数
- 9
慢性穿孔性中耳炎を伴う内頸動脈鼓室内露出症例について報告する。症例は58歳女性で,右難聴と耳鳴を主訴に当科を紹介受診した。右鼓膜は大穿孔を認め,,鼓室前方に拍動する腫瘤を認めた。内頸動脈鼓室内露出が疑われ,平成13年3月局所麻酔下に耳後部切開の鼓室形成術1型を行った。術前に内頸動脈の露出が確認されていたため,この部位は軟骨板で被覆するのみとし,殆ど出血無く手術を終了した。内頸動脈鼓室内露出はきわめて珍しいが,手術操作などによる大出血で気付いたという症例が大半であり,鼓室内に拍動1生腫瘤を認めた場合は内頸動脈の露出も鑑別に入れるべきである。