著者
木俣 健 窪田 辰政 神藤 隆志 三橋 大輔
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
日本体育・スポーツ・健康学会予稿集
巻号頁・発行日
vol.71, 2021

<p>本研究の目的はテニスにおける世界の男子トッププロ選手(以下:上位群)と学生選手(以下:下位群)を対象に、サービスゲーム中のブレイクポイントをセーブした時の1stサーブの確率、ポイントの終わり方、ラリー数を比較しトッププロ選手の戦術選択を明らかにすることで、サービスゲームのキープ率向上に関する戦術指導の有益な情報を得ることであった。</p><p> 対象として、上位群をATPランキングが15位以内の選手20名が出場した男子プロテニス協会主催の大会14試合(2018年~2020年)の中から100ポイント、下位群を関東学生テニス連盟が主催する3つの主要な個人戦において本戦出場経験のない選手21名が行った学生の公式戦、対外試合や部内戦(2019年~2020年)の中から127ポイントを抽出した。さらにサーブの確率、ポイントの終わり方(Unforced Error、以下UE:自らに原因のあるエラー、Forced Error、以下FE:相手の良いショットに原因のあるエラー、Winner、以下W:ノータッチエース)、ラリー数の3項目に関して分析を行った。統計処理として、それぞれの結果についてχ<sup>2</sup>検定を行い、有意差の見られたデータは残差分析を行った。有意水準は5%未満とした。</p><p> 結果として、1stサーブの確率は上位群が有意に低かった(p<0.05)ことに加え、1stサーブが入った場合のポイントの終わり方については、上位群のFEの割合が有意に高かった(p<0.05)。これらより上位群は1stサービスにおいて、多少確率を下げてでも主導権を握り、相手からFEを引き出していることが考えられる。さらに上位群は、ポイントが終了するまでのラリー数が短い場合(5球以下)においてもFEの割合が高いことから(p<0.05)、上位群は1stサービスの確率が下がるリスクを冒してでもサーブを始めとする攻撃的な戦術選択を行っていると推察される。</p>