著者
宮原 英夫 池田 憲昭 堤 邦彦 高見堂 正彦 小口 徹 三浦 貞則
出版者
日本行動計量学会
雑誌
行動計量学 (ISSN:03855481)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.30-38, 1986-09-30 (Released:2010-06-28)
参考文献数
9
被引用文献数
1 2 1

Sinece1978, the candidates for the Kitasato University, Medical School have been requested to answer the translated edition of MMPI. For these5years, two kinds of Japanese editions were adopted for test alternately, and total of3894male and786female candidates took this test. Using this material, the authors have studied the influence of translation into Japanese on the response for each MMPI item and profile pattern. The results were as follows: (1)Excluding D and Si scales, the mean scores of the remaining 12scales of either Doshisha or Nihon-edition were located within a difference of one standard deviation from the mean values of the norm group. (2)By means of item by item comparison, considerably large difference between the two editions was observed in the percentage of cases giving?gtrue?hresponse. This fact suggested that difference between the editions had to be taken into consideration when individual items were used separately or scales were newly constructed by using items with high risk of different response pattern.
著者
石郷岡 純 山城 一郎 福山 嘉綱 若田部 博文 三浦 貞則
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.88-95, 1985-04-30

美容外科受診患者に対し,精神科的立場からコンサルテーション活動を行った。この結果,容姿,容貌を気にし始めた年齢は10台から20台の若年に集中しており,対象部位は顔面とくに鼻が多く,約半数が"醜形"に対する関係念慮を抱いていた。これらの特徴は,従来醜貌恐怖症で指摘されていたことだが,美容外科受診患者全体の特徴としてとらえられるものと思われた。また受診患者の男女間の心理的特性は対照的であり,これについて若干の考察を行った。さらに,醜貌恐怖症の診断について検討し,社会適応,対人関係の障害を診断基準の一項目として加えることを提言した。また,リエゾン精神医学の立場から,現在までの美容外科に対するコンサルテーション活動の反省と問題点について指摘した。
著者
八木 剛平 伊藤 斉 三浦 貞則
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.49-58, 1978-01-15

Ⅰ.序文 向精神薬(主として抗精神病薬)によるいわゆる遅発性ないし持続性ジスキネジアは従来精神病院入院中の高齢者(50〜60歳)の一部に観察され,長期(一般に数年以上)にわたって抗精神病薬を投与されたものが多いが症状の起始は明らかでなく,いったん生じた異常運動は抗精神病薬の中断後も消失することはない(恒常性ないし非可逆性)とされていた13)。われわれは1968年以来,それまで遅発性ジスキネジアの認められなかった患者について,抗精神病薬療法の経過を注意深く観察してきたが,1975年までの約8年間に18例について症状の新たな発生を観察するとともに,その経過を追跡して症状の消失を確認することができた。これらの症例の一部は第9回国際神経精神薬理学会において既に報告したが22),当時観察中であった症例についてもその転帰が明らかになったので,ここに改めて報告することにした。本論文の目的は,第一に多くは塔年者において,抗精神病薬療法のかなり早期に発症した軽症のジスキネジアが,原因薬物の中止によって消失したこと,しかしその後の長期経過は楽観を許さないことを示して,遅発性ジスキネジアに関する従来の定説に若干の修正を促すこと,第二にその発症と可逆性に関与する諸要因を検討して遅発性ジスキネジアを発症した精神分裂病者(以下分裂病者と略称)に対する薬物療法について考察することにある。