著者
茂木 伸之 三澤 哲夫
出版者
公益財団法人大原記念労働科学研究所
雑誌
労働科学 (ISSN:0022443X)
巻号頁・発行日
vol.89, no.2, pp.33-39, 2013 (Released:2014-11-25)
参考文献数
15
被引用文献数
1

立位作業時における作業面高の適切な高さを確保する条件としては,肘頭高を基準とすることなどが推奨されている。そこで本研究は,作業面高を設定するとき,その最適値と調節範囲について明らかにすることを目的とした。主観評価から,肘高差が10cmである条件が 『丁度よい』 という評価が最も多かった。順位評価は,10cm,15cm,5cm,20cmの順であった。作業姿勢では,最も発生頻度が多かった角度は4条件すべて0~10度であった。本研究における適切な作業面高は,肘頭高と作業面高の肘高差が10cmである条件となった。作業面高の調節は必要と考えられ,主観評価および作業姿勢角度から条件10cm,調節範囲は±5cmが望ましいことが明らかになった。(図3,表2)
著者
黄 河 松田 文子 三澤 哲夫
出版者
公益財団法人大原記念労働科学研究所
雑誌
労働科学 (ISSN:0022443X)
巻号頁・発行日
vol.87, no.1, pp.12-19, 2011

中国の金属加工労働者100名を対象に,日本の「蓄積疲労度自己診断チェックリスト」「自覚症しらべ」等を用いて疲労の状況を調査した。結果,調査対象者全体の傾向として,蓄積性疲労が基準値と比べてやや高いことが伺えた。自覚的な疲労感としては,上肢と下肢に訴えが集中していることがわかった。調査対象者の6割以上が「休み時間が短い」「休憩施設が無い」などの理由で,「昼休みで十分な休みがとれない」と回答し,7割以上が,昨年1年間で,風邪,腰痛などの病気をしたこともわかった。残業に関しては,「仕事の量が多い」「仕事が急に入ってくる」等の理由で,8割が日常的に経験していた。本研究では,労働者の健康を守るために,労働時間の短縮とともに,労働環境や人間工学的条件の改善が必要であることを明らかにした。(表1,図4)